叱ることの悪い結果

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通常、子供が悪いことをすると、親はしかりますが、これを長い目で見るとどのような結果になるのでしょう?

子供が親から見て悪いことをしていると、日本人の親の場合、しかることがほとんど当たり前と考えていると思います。例外はありますが、確かに、悪いことをしている子供をしかると、子供はそれを止めます。それでしかることが効果があるのは、明らかに見えます。

でも、表面的には直ぐ見えない、予期しないことも起こっているのです。子供はしかられた時に、感情的に反応します。怒りや恐怖を感じることは、まれではありません。例え泣いたりふさぎ込んだりしたとしても、その裏には怒りや恐怖が潜んでいます。そしてこれらの感情は、長い間に子供の反抗心につながっていくのです。すなわち、親が頻繁に子供をしかったりすると、親の言うことを聞かない子供になったり、又は、親の前だけで言うことを聞く子になってしまいます。最悪の場合で、厳しいしかり方が、長い間続いた時などには、青年になってから、非行に走ったりする可能性が、非常に高くなります。

厳しくしかられた時の子供の行動には、大きく分けて3つあります。一つは、あからさまな反抗で、親に向かって言い返したり、悪いことを平気でしたり、親を殴ったりすることです。二つ目は、親が怖く思われた時で、親の前ではよい子にしていますが、陰で規則を破ったり、自分勝手をしたり、親の悪口を言ったりすることです。三つ目のグループは、親が怖くてしかも圧迫的な時に起こり、子供は完全に服従してしまう場合です。親が怖いから親の言う通りになり、内心、失望して落ち込んでいる時もあります。表向きにはよい子に見えますが、ひょっとした事で、感情的爆発などをする時もあります。

このようなことを考えてみると、子供の行動を向上させるために、しかることは必ずしもよいとは言えません。むしろ、しかることはなるべく避けた方がよいでしょう。では、子供が悪いことをしたらどうしたらよいでしょう?

一番肝心なことは、子供の行動を治す時に、親が怒らないと言うことです。これは子供に対して怒らないではなくて、怒る感情を持たないと言うことなのです。確かに子供の悪い行動を見ると、怒るのは簡単だと思います。でも、親が怒ると、子供も怒るのです。そして、子供が怒ると、反抗心を強めてしまうのです。親の目的はこれではなくて、子供の言動に対して教育することですから、先ずは、怒らなくて、冷静でなければなりません。 

幼稚園以下の子供でしたら、「それはいけないよ。」と言いながら、物理的に止めさせればよいと思います。子供を抱き上げたり、移動させたり、押さえたり、物を取り上げたり等して、止めさせればよいです。でも、子供はほとんどの場合、親の一回の介入では変わりませんから、親が根気よく止めさせることを繰り返さなければなりません。しかった時にも、子供は一度で親の言うことは聞きませんから、それと同じだと思って、止めさせることを繰り返してください。

小学生位になりますと、物理的に何かを止めさせるのは、困難になりますから、あらかじめ、ある程度の親子の規則を作っておく必要があります。例えば、子供が責任を守れない時、その日の特権を失うことです。つまり、もし子供が宿題をしなかったり、おかたずけを出来なかったり、弟をいじめたりしたら、テレビ時間を失ったり、ゲームがその日は禁止になったりします。

ここで肝心なことは、前にも言いましたように、子供が規則を破った時、怒らないこと、しからないこと、叩いたりしないことです。ただルールに従って、特権を取り上げればよいのです。もう一つは、一回特権を取り上げて効かなかったら、諦めるのではなく、根気よく繰り返すことです。

また、これらの方法と併用して、しなければならないこともあります。それは、子供をほめること。親は、子供が悪いことをした時だけ、動き出すのではなく、子供のよい点、よい行動を見つけ出さなければなりません。子供を見ていて、少しでもよいことが見えたら、それについてコメントしましょう。大変よいと思ったら、沢山ほめてあげましょう。子供をほめることは、あなた自身をほめることだと思ってください。もし、あなたが、子供の悪い行動について一回介入するに対して、5回他のことをほめていたら、しつけがよく行われていると思ってよいと思います。

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