親業と車の運転

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今回は車の運転の仕方を例えに使って、子育てのことを考えてみましょう。皆様もご存じのように、人それぞれいろいろな運転の仕方をします。丁寧な運転をする人もいれば、雑な運転をする人もいますし、危険な運転をする人もいます。ちなみに、運転の仕方はその人の性格の一部を現しているとは思いますが、運転の仕方だけでは、その人の性格は判断できません。

運転手の性格の話はさておいて、あまり思わしくない運転の様子を探ってみましょう。ある人は急に加速したり、急ブレーキをかけたりします。カーブの曲がり方も減速を十分しないで行ったり、急に気が付いて曲がったりします。いらいらしてくると、他のドライバーに対して怒ったり、声を出して叫んだりします。 

だいたい様子が分かったと思います。では、その車の中に子供が座っていると想像してみてください。そして、子供がどのような気持ちをしているかを、考えてみてください。子供は背が低くて周りが見えませんから、運転手が次に何をするだろうかを、予想できません。車が急にでたり、止まったり、曲がったり、その上に運転手が怒ったり叫んだりで、いい気分ではないと思います。気の弱い子でしたら、恐がったり、不安になったりするでしょう。中には怒る子供もあるかもしれません。

今度は、優しくて安全運転をする人の車の中に座っている子供を想像してみてください。車がスムーズに走り始め、止まるときにもゆるやか。運転手も落ち着いていて、運転を楽しんでもいます。子供も安心して乗っていられます。驚くこともなく、恐くもなく、運転手に話しかけられて、楽しくもあります。

ここまでの説明が長くなりましたが、今回の話は、あなたの運転の仕方がどうのように子供に影響するか、と言うことではないのです。何がポイントかと言いますと、運転手をあなたとみてください。乗っている子供は、あなたの子供です。そして、車をあなたと子供を含む親子関係と例えます。車を運転するあなたは、親子関係のリーダーです。あなたが運転する車=親子関係は、あなたの運転によって、安全感を子供に与えたり、恐がらせたりします。そして、あなたの運転の仕方が急に変わらずパターン化されているように、親子関係のやり取りも急には変わりません。子供は車の外があまりよく見えないように、親子関係以外の様子も余りよく見えません。すなわち、親子関係内の経験が、子供の世界のほとんどをしめています。こうしてできた世界観は後に子供と他の人達との付き合いの中に運び出されていきます。

不安、恐怖、怒りの多い親子関係の中で育った子供は、これらの感情を他の人とも感じやすいです。また、安全感や優しさの多い親子関係で育った子供は、その感情を他の人との関係でよく使えるようになるでしょう。

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