遊びの心理

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今回は遊びについて考えてみようと思います。遊びの面白さは、人の個性にアピールするものでして、何が面白いかは人によって異なると思います。でも、よい遊びに共通していると思われるものは、遊びの内容がまったくの空想と日常の現実の間に挟まれていることであると言うことです。

遊びがすべて空想の世界だけで終わってしまいますと、現実的な関連性やチャレンジがなくて面白くありません。しかし、遊びがあまりにも現実的ですと、夢がなく、結果が怖くなったりして、これもまた面白くありません。

他によい遊びの要素として、技術や能力、知識の開発度や、内容の深さ、そして人間関係、セルフコントロールなどがあると思います。これらを含めて例を使ってちょっと考えてみましょう。

たまたま私の詳しいフライト シミュレーションと言うコンピューターを使った遊びがあります。このゲームは、勝ち負けを競うというより、飛行機を操ることが面白い遊びです。マイクロソフトのフライト シミュレーターの宣伝というわけではありませんが、ボーイング747の操縦桿を握ってあの大きな飛行機を操ってみたいとか、ファイタージェットF14で宙返りをしてみたいなどと思う男の子は少なくないと思います。それを家庭のPCコンピューターを使って、遊びとして体験させてくれるのが、フライト シミュレーターです。

このシミュレーション遊びはバーチャルな世界での飛行ですから、実際には空想でしかありません。コンピューターの中で起こっていること、そしてプレイヤーの頭の中で起こっているだけです。しかしながら、その操縦の難しいこと、そして奥の深いこと。操縦桿を握ってとりあえず滑走、離陸、飛行、着陸とぎこちないながらもやってのけて、興奮と達成感を味わった後すぐやってくるのが次次のチャレンジ。

ジェット機を飛ばすには、スピードをセットしなければなりません。そして、高度、方向、気圧。フラップを上げ下げしたり、管制塔とやり取りしたり、フライトプランを作ってその登録をしたり、着陸時の滑走路の方向角度や着陸システムの周波数まで調べなければなりません。

これらの活動の目的は一体なんであろうか。実際に飛行機に乗りたい人は、そうすればいいですし、レッスンをとることもできます。ところがこの遊びはフライト シミュレーションですから、バーチャルな飛行を現実により近くすることが目的なのです。空想でありながら現実にますます近寄っていくのが面白いわけであります。ですから次の飛行には、乗客を何人乗せて、目的地までの燃料は何ポンド必要で、、、、、興味のない人には、時間と労力の無駄に見えるだけかもしれませんが、それがどの遊びでも共通する性質です。

フライト シミュレーションでの一つの楽しみは、世界中のいろいろな風景を空から楽しめることです。自分が操っている飛行機を第三者的に離れて見ることもコンピューターのトリックで可能ですし、また、その飛行機が地上の背景とよくマッチした風景などを自分で作り出したりして、心が躍ることもあります。そしてシミュレーションをしていくうちに気が付くことは、世界中の様々な地区の地理、地形にくわしくなるということです。町の位置や山の高さ、そして川の流れの方向などの知識が知らないうちに増えていってしまいます。

右脳の開発というわけではありませんが、飛行機をコントロールすると言うことは、3次元の空間の理解と把握に大変役立ちます。地面と機体との関係を常に頭に置きながら、傾いたり、上昇したり、下降したり。正に空間の理解のトレーニングと言え、知能にも良い影響があることでしょう。頭のボケにもいいかも知れませんね。

そのうちに気が付くことは、飛行機の操縦と言うものは、無理をしてはいけないと言うことです。車の運転も無理をしてはいけないのはご存知の通りと思いますが、飛行機に関してはもっとそうでしょう。ちょっと無理をしたりいい加減なことをしてしまいますと、惨事に至ってしまいます。規則を守って、他の飛行機の位置を確認し、天候や風向きなどを気にしながら、安全に着陸するには、かなりのセルフコントロールを要します。これはゲームでありながら、実際の感情のコントロールの練習になるようなことです。

実際のジェット機に乗って旅に出る時には、自分がパイロットになったかのように、実のパイロットの今しているであろうことを想像してしまいます。長い単調な飛行時間を遊び感覚で過ごせるようになるもの、悪いことではありません。ひょっとしたら、飛行機恐怖症なんかが治ってしまうかもしれません。

心理的に遊びと言うものは、楽しいだけでなく、自分の向上と周りの環境とのやり取りの熟達につながるものであり、そうであってほしいです。いつまでも遊び心を忘れないことも大切だと言うことですね。

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