魅力: 結婚前と後

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「相手の嫌いな部分は、あなたが結婚前、魅力的と思っていたことである。」

これは結婚に関する観察の一つなのですが、具体例をあげて少し考えてみましょう。

A子さんは結婚前彼のきちんとしているところが好きでした。彼はいつも新鮮な服を着ていましたし、デートの時間もきちんと守ってくれました。彼の部屋はよく整理、整頓されており、きれいにしてありました。お金の使い方にも無駄使いなく必要に応じて使い、貯金もある程度はしてありました。A子さん自身はその逆で、自分の周りのものにあまりコントロールがありません。それ故に、彼のきちんとしているところがよく見えたのでしょう。

でも、結婚して暫くすると、好きだった彼の性格に嫌気がさしてきたのです。彼は新鮮な服を着ていましたが、それは、彼女が前日アイロンをかけたものでした。彼は時間厳守なので、彼女が少しでも遅れたりすると、すぐ顔を赤くして怒ります。二人の住む部屋はきれいになっていますが、そうでなければ、彼が文句を言います。彼はけちで、必要なもの以外は彼女に何も買ってくれないのです。

B男さんは、結婚前彼女の優しさに魅力を感じ一緒になりました。彼女はB男さんにいろいろ気を使って、よく面倒をみてくれました。結婚して暫くすると、彼女の面倒みのよいところが迷惑のように思えてきたのです。彼は彼女の細かな干渉に対して頭に来て爆発してしまいました。

結婚以前と結婚後の気持ちの変化は相手と同一化しているかどうかで説明することができます。結婚前は相手に近づこうとしていますから、相手と同一化します。これは、自分が相手の人のようになると言うことです。相手の立場を理解し、相手の気持ちや見方を自分のものとして扱います。ですから、相手である恋人が几帳面であると、それが自分の事でもあるかのように大切になるのです。自分がそうでなくて、自分に無い物を求めるかのように、例えば相手の几帳面さを理想化してしまったりします。

結婚して暫くしますと、相手にそれ以上近づく必要性が減り、同一化した相手の立場より自分の立場の方が大切になります。すると、むとんちゃくになり、相手の几帳面さに比べればおおざっぱなやり方や、いいかげんなやり方がしょうに合います。その代わり、今まで理想化された相手のやり方、あり方が邪魔になってくるわけです。

相手の立場をとるか、自分の立場をとるかはよく私たちが直面する葛藤です。自分の立場を考えながら、相手と同一化していくことは、自己発達上の大きな課題です。これを解決し乗り越えることによって、自己の成長に伴う心の安定を得ることができるのです。

ある男性が仕事をばりばりとする女性と結婚をするのだと張り切っています。結婚すれば収入も多くなるし、彼女は頼り甲斐あるしこれ以上いい相手はいないと言うわけです。あなたはどう思われますか。

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