セックスの心理

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性的関係とは誰かとセックスをする人間関係にある、という意味を一般的に言いますが、もう一つの意味でも使えます。それは性的関係の内容を伝えるもので、どのような関係を持っているかという意味でもあります。

性的関係とは、必ずしもスクリプトが含まれています。スクリプトとは映画や劇などで使うスクリプトと似ていて、人の役割があり話の展開があります。カップルがセックスをする時、それが単なる肉体的な関係を結ぶだけでなく、お互いの心がスクリプトを通して役割を演じるわけです。

セックスは95%頭で5%肉体的であると言われるくらいですから、スクリプトに値する部分がいかに大きいかが解ります。そのスクリプトの内容は、性的というよりは、まさに人間関係のダイナミックスを描いています。そこには単なる愛情の表現に限られているだけではなく、攻撃心、破壊、征服、恥辱、競争、などの気持ちを含めたドラマが展開されます。

例えば、彼が王子様であり、美しい彼女を熱愛するシーン。彼が彼女を競争相手から奪い勝利を祝うセックスシーン。魅惑する彼女に拒絶されそのフラストを楽しむ彼。自分のコントロールを奪われる強引のシーンを楽しむ彼女。理想の相手に受け入れられた一体感を楽しむシーン。自分の性的魅力を発揮し自身を高めるシーン。

セックスのスクリプトは人それぞれきりなくあると思います。はたしてスクリプトの無いセックスは存在するのでしょうか。肉体の欲求だけの排出で、それについて意味もつけない、話も無いセックスはありえるのでしょうか。あったとしたらそれはずいぶんドライのものでしょうね。それより、多くの場合、スクリプトは無意識のうちに演出されていると思われます。それは、ぜんぜん意識していないレベルのものから、うすうすと考えるものもあり、はっきりとそのシーンを描きながら起こる場合もあるでしょうし、そして相手と相談の上スクリプトを協力しながら演出するレベルまであると思います。

セックスに興味のない結婚カップルの悩みをよく耳にします。特に、子供の出産後にセックスが減少したり、セックスレスになってしまったりします。小数の身体的問題や一時的疲労の問題を省きますと、やはりほとんどの性的問題は心理の部分にあると思われます。そこで、性のスクリプトの要素を入れて考えてみますと、スクリプトの展開をうまくできないカップルに性の問題が起きていると思われます。

そこには、日常の結婚関係の質やお互いの性格から始まって、相手との性的スクリプトが矛盾しており、セックス中にそのスクリプトの演出が難しかったりします。普段やさしい人にセックス中だけ狼になって、と言ってもそう簡単にできない人もいることでしょう。また、自分が楽しめそうなスクリプトを相手に話した結果、冗談じゃないと拒絶されることもあるでしょう。また、セックスに対してそれまで興味を寄せなかった人は、スクリプトと言っても一体何を考えたらよいのか解らないかもしれません。育てられた環境が、性について抑圧的であったりしたならば、スクリプトを考えること自体罪悪感を抱くことになってしまいます。

ところで、後々セックスレスになるカップルでも、恋愛中には多かれ少なかれセックスをすると思います。その時のスクリプトは一体何だったんでしょうね。恋愛中のスクリプトはある程度周りの社会が作り上げてしまうような気がします。例えば、理想の人との幸福感に満ちた一体感シーンだとか。自分にとって面白いスクリプトはその後に表現されたり、作り上げられたりするわけですが、それが自分の相手と愛称がいいかどうかは、その時になってみないと解らないというわけです。

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