心の健康

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心と言うものは、いかなる時でも何かの内容を考えとして含んでいなければならない性質があります。振り返って見れば解るように、私たちは朝から晩まで、考えを浮かべたり、想像したり、計画をねったり、心配したり、思い出したりしています。この心の性質から言って、悪い考えや心配事を含んでしまうことは少なくありません。実際に苦悩が含まれておらず、不安も心配もない清い心の状態と保てるのは極わずかな時間でしかないでしょう。

単なる苦悩の無い心の状態を健康と言えるかもしれませんが、健康が増すにつれて、心の高い機能を経験することができます。でも、これは決して簡単な事ではありません。なぜなら、そのためにいろいろな条件がそろわなければならないからです。

例えば、一番基本的な条件として体の健康があります。体に少しでも痛み、病気、不調などがありますと、それが心に影響して心の機能を乱します。また、仕事や対人関係からのストレスも心に悪い影響を与えます。これらがどうにか片付けられ、睡眠をよくとり疲労のない状態が得られたときに初めて清き心の健康の存在に気が付くことでしょう。

先ず、心が健康の時には、物事に対して集中力があり、記憶が高まります。本を読んでいても、誰かとお話をしていても、それにすっと心が入ります。関係ないことで気が散りません。また、内容をよく覚えます。記憶がいいので話の前後関係や他のことへの関連性がよく解るようになります。

次に、物事に対して気力や興味がわいてきます。この気力と興味があるので、何かをしていて楽しいと思え、やりがいを感じたり、達成感があったり、生きがいを感じたりすることができるのです。その逆は、やる気の無さと退屈です。時間の無駄を多く感じ、無意味な経験をします。

やはり心の健康を感じる時とは、心の状態が安定している時でしょう。そういう時には、ちょっとのことで心が乱れたり心配になったりはしません。物事をチャレンジとして受けとめることができ、ストレスとならないところがいいです。このような時には、自分の意志と気持ち、感情、そして行動が一体となり、自己のコントロールのよさを感じます。

意識の鮮明さも心の健康のサインです。ぼーっとして雲がかかったような意識から、快晴のはっきりしたどこまでも見えるような意識になることです。自分の体の境界線に限られた意識ではなく、体を超越した意識で、周りの自然との一体感を感じられます。

知能の高度機能を経験するのも心の健康と言えるでしょう。例えば、数学の公式をみようが、読書をしようが、環境の観察をしようが、それらの内容の意味が鮮明に伝わってきます。それだけでなく、今までに見なかった新しい意味や関連性を発見することができるようになります。すなわち、物事を深く理解できるようになると言うことです。そしてその理解と自分のそれまでの経験が融合してできる発見と発明。創造力の豊かさを経験するでしょう。

体の気持ちよさ、気力、意識の鮮明感、知能の高度機能、自然との一体感、意志と動作が一致する自己コントロールと安定感、これらが一つの完璧なる精密機械のように動く快適さを心の健康と言うのでしょう。そしてこれらの要素一つ一つが協力し合い、全体としてすばらしい統一感を経験させてくれるのです。このようにして私たちは心の健康から生きる楽しさと興奮を教えられるのです。

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