うそをつくこと

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 母親にとってこどもがうそをつくことほど悲しいことはないですよね。特に最初にうそを付かれたときはショックということばにも表せるかもしれません。信頼していたのにとか、うちの子に限ってとか、あれだけうそはだめと教えてきたのに裏切られたとか、きっとそんな思いをされたのではないでしょうか。そしてこどもがうそをついたらその段階で、「だめでしょ、うそついたら。」「ママには絶対にうそつかないで!」とか言うのではないでしょうか?しかしうそをつくことは悪いように聞こえますが、実は成長の一部なのだと受けとめたらどうでしょうか。

 

なぜうそをつくのか?

こどもは皆さんが思っている以上に早い時期にうそをつくことを覚えています。早ければ3才前、少なくとも3才になったらうそをつくという知能が発達しているのです。さらにうそをつくことは悪いと言うことも分かっています。それでもあえてうそをつくのは知恵なのです。相手をからかう為のうそも賢くなった現われと見うけられるときがあります。

また彼らがうそをつくのは自己防衛でもあります。つまり私達、大人が使う「うそも方便」のようなものです。事実を隠すという行為はますますエスカレートして行きます。ひとつのうそをつくと、さらにその最初のうそをカバーする為にもうひとつうそをついてしまいます。このあたりにくるとだんだんこちらも真相が見えてきますよね。ある意味で、事実を隠し、われわれ親の反応を試しているのです。年齢を増すごとにうそはだんだん巧妙になり、私達親でもわからなくなります。

しかしこどものうそはかわいいもんです。たとえば4才の子供にナプキンの下に隠してあるおもちゃを「まだ見ちゃダメよ」とこどもに伝えたとします。しかしこどもは好奇心が旺盛ですから、ましてやみちゃだめといわれればなおさら見たくなるものです。大人も同じですよね。大人が絶対に分からないと思えば、「見た?」という問いにたいして、「見てない」と答えるでしょう。そうすると大人は、「そう、いい子だってね」とさらにほめてしまいます。ほめられることはこどもにとってとてもうれしいことです。だから当然嘘をつくのです。

これで「見た」といったらどうでしょう。おそらくこどもは怒られると言うことがわかっているから「見てない」というでしょう。怒られるのがいやだから、自分の心をあるいはからだにおいて、傷つきたくないから自分の身を守る為にうそを言うのです。

 

こどもにはこどもの理由がある場合も

結局知能の高い子どもほど上手にうそをつくと思います。さらに驚くことは口の固い子もいると言うことです。我が家でも過去にこんな事件がありました。娘は大の動物好きで犬を買いたかったのですが、我が家の男性諸君の反対を受け、どうしても飼うことができませんでした。そして私は娘にハムスターを与えました。当時8才の娘はそれはそれは大事にそのハミーちゃんをかわいがって育て、りっぱに8才の子どもなりに世話もしました。しかしある2月のこと、「マミー、ちょっときて、ハミーチャンがおかしい。」といって見たところ、完全に体が硬直していました。そう、ハミーチャンは命絶えていたのです。一連のお葬式をすませ、それから一年近くが過ぎました。ある日、娘は、「マミー、絶対にダディーに言わないって約束してくれる?絶対にだよ。.........・あのね、ハミーチャンね、アリちゃんがソファーでつぶしちゃったの。」とこぼしました。

私はそれを聞いたときに、娘がなんと長い間この事実を自分の小さな胸に苦しんでいたのだろうといとおしくなりました。これだけ長い間、心に押さえていたものを声に出してみたという勇気にすら私は認めて上げなくてはいけないと思いました。彼女は1年以上という長い歳月、ずっとこの真実を小さな心に秘めていたのです。だれにも本当のことを言えず。それがどんなに彼女を苦しめていただろうかと思いました。わずか8才の子どもにこれだけの大きな我慢を長期に渡ってできるのだろうかと疑問に思ったほどでした。

きっと彼女は、本当のことを言ったら回りから攻められるなり、もう飼っては行けないといわれたりするだろうと思ったのでしょう。さらに「かわいそう」とか、「ありちゃん、ひどい」とか言われたら、自分が引き起こした事件だけに自分をいつも責めて行くこともつらかったのでしょう。私は娘に、「ありちゃん、ほんとうによくいってくれたね。マミーうれしかったょ。ありがとう。そのことずっといえなかったこと、ほんとうにつらかったね。けどいったあとほっとしたね。言えてよかったね。」そしてそのあと私は彼女を攻めることもなくただ抱きしめました。

私は彼女の口の固さというか、我慢強さというか、その成長にとにかく我が娘ながら感動しました。自分自身が8才という幼さでそれほど長い間、事実を隠し通せたかどうか、本当の所自信がありません。しかし娘はある意味で、自分の失敗に対してこのような形で心の中で長い時間をかけて事件を整理し、かつ反省していたのです。こどもは私達が思う以上に自分自身で悪いことに対する反省する力を備えているのだと思いました。そのため、私達ができることはこどものその力を信じて見守ってあげることではないでしょうか。

 

どのようなうそかを見極める

「どうしてうそつくの!」「うそついたでしょ!」「うそはどろぼうのはじまりっていうのよ!」「うそをつくとえんまさまがきて舌をぬいてっちゃうよ!」「うそだけは絶対にダメだっていつも言ってるでしょ!」「うそつきのこどもはうちには入れません!」などときっと皆さんはこどものうそに対して更正してきたとおもいます。またそれが正しいしつけだと信じているでしょう。

私達大人の世界ではなんと多くのうそが平然と行われているのでしょう。「奥さん、きょうはきれいですね。」「ごめん、今日娘が熱出したらから出られないの。」などは日常茶飯事ですよね。まあ、これはいわゆる小さなうそ、世の中をうまく渡る為の知恵ですね。さらに大きなうそでは、人をだまし、真実を隠し、むしろだまされる方が悪いという価値観の国もあります。警察官ですら真実を隠し、報道にはうそを発表し、政治家は国民をだましと大人の世界はもっともっと汚いのです。このようなうそは当然罰せられなくてはいけないうそです。それは誰が見ても悪いことです。

うそにもいろいろな状況、場面と種類があります。当然怒らなくてはいけないうそもあります。それは人を傷つけるうそです。私達親としての勤めは、どのようなうそなのかを見極める賢さを備えることです。こどものうそはしょせん見え透いたうそです。うそを見抜くことはそれほどむずかしくありません。

こどもがうそをついたとき、すべてのうそに頭ごなしでうそはだめと怒るのでなく、どうしてうそをつかなくてはいけなかったのかを考えて見てください。そしてこどもの立場に立って状況を主観的に見つめて見てください。きっとお子さんは悪気をもってうそをついたのでなく、彼らなりに理由があり、場合によってはママを悲しませたくないがゆえにとったうそという配慮だったのかもしれません。子ども達の心は繊細です。どうぞ温かく心の成長を見守ってあげてください。うそに対して時には目をつむって微笑むこともこどもを一番よく理解している母親ならではできることなのかもしれません。

「あれ?けんちゃん、これこわしたんでしょ?」

「ちがうよ、けんちゃんじゃない!」

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