余裕のある生活を

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 日本でも、アメリカでも比較的尊ばれている価値観のひとつに、「忙しいということ はよいこと」というものがあります。何もしていないことに罪悪感を感じる、暇なこ とはあまりよく受け入れられない、何もしていないことは生産性を持たないなまけも のと捕らえる風潮があるように思えます。そしてそのような価値観にまどわされて私達は毎日何かやることを作ってるのではないでしょうか?今日、一日何もやることが ない、行くところが無いと不安に思えてきませんでしょうか。

子どもが小さければ、月曜は体操教室、火曜は下の子の子育てサークル、水曜日はス イミング、木曜日は英語教室、そして唯一空いている日が金曜日、しかしその金曜日 が埋まっていないと落ち着かず必ず誰かと会うようにスケジュールを組む。そしてこ どもが小学校に上がっても月曜日は英語教室、火曜日はスイミング、水曜日は公文、 金曜日はピアノそして唯一空いている日が木曜日でもクラブで帰りが遅い、そのよう な子どもの生活ではないでしょうか。

そして母親自身も子どもが幼稚園や学校へ行っ ている間に、やれトールペインティング、手話教室、英会話、テニスと毎日何かが埋 まっている1週間で、1日2つ以上行かなくてはいけないところがあることもしょっ ちゅうでしょう。それを充実と呼んでいませんか?しかし、これがそのまま子ども達 の将来のスケジュールパターンとして植えつけられていくように思えてなりません。 子どもたちもこのような綿密なスケジュールに追われ、疲れているものの、私が心配 なのはそのようなパターンにしか安心感が得られず、疲れて本来子育てをエンジョイ すべきなのにそれができていない親です。

このようにスケジュールに追われる生活の中でいったいいつのんびりと空を見たり、 外を散歩しながらいろいろなことを考えたり、本をじっくり読んだりできるのでしょ うか。常に何かに追われている生活、常にあれをしなくては、これをしなくてはと頭 の中をしなくてはいけないことのリストが堂堂巡りしている中でどこにものごとを創 造したり、考えたり、人への思いやりをもつ余裕が持てるのでしょうか。

1週間の内、いや毎日の中でも1,2時間はボケーと何もしない余裕を持った時間を作ることが何よりもの心の栄養だと思います。そしてその余裕のある両親の笑顔は何 よりも子ども達へのプレゼントだと思います。余裕が無いと笑えるはずのことも笑え なくなってしまうのです。心の底から笑えることは本来、心への栄養補給のはずなの に、笑っていないお母さん、お父さんが増えていることに私は本当に残念だと思いま す。

子ども達はいくつになっても本当におかしなことをしたり、おかしなことを言ったり して私達を笑わせてくれるのです。子育てが楽しい、こどもといることが楽しいと思 えるのはこのような時ではないでしょうか。子どもが小さい内は自然とそれが多くて も年齢が増すと子ども達は親の顔色をうかがってきます。そのため私達親側で心の余裕が無ければ笑いが飛ぶような雰囲気を与えてあげることができません。

そのためにも家族がみんなで笑い転がれるようなそのような環境づくりを心の余裕か ら見出してみてください。 ちなみにうちは、皆さんが驚くほどおけいこごとたぐいのものはほとんとしていませ ん。長い夏休みも自由に過ごさせてあげようと思っています。与えられた膨大な時間 を子どもたちは自分なりに工夫をし、有効に、後悔なく使うことができると信じてい ます。与えられたものだけをこなしてきた子どもは、ふいに与えられた時間をどうし てよいかわからない傾向があります。その時間は水族館、動物園、遊園地、などお金 のかかる場所に行くことで処理していきます。つまり、することを与えられることで 安心を求めるのです。

それに対し、常に自由な時間を与えられてきた子どもは、その 時間をどのように使ったらよいかの工夫をする訓練ができています。大きくなって自分の人生を楽しむ時期が来たときに、自由時間というものを自分が楽しめるために、 あるいは人のために使うことができ、その時間的空間を心から喜んで受け入れられる 子どもに育てたいと思いませんか?

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