こどもにだめといわない環境?

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先日あるベビートークの会合でパネリストとして呼ばれました。その中で私は繰り返 し、日本の育児雑誌からの情報を鵜呑みにするなとか、海外からの育児案も日本の環 境にあったものをきちんと吟味して、日本の文化に馴染む形で受け入れなくては行け ないなどの提案をしていました。 トークが終わった後、あるお母さんが私のもとを訪れ、こどもがスーパーなどでもの をねだり始めたらどうしたらよいかという具体的な質問をあげました。私は親が買い たくないのであれば、スーパーではこどものものは買わないと一貫した方針を決め、 それを貫けばよいでしょう、とアドバイスをしました。

  さらにあまりかんしゃくを起 こして周りに迷惑をかけるような状況であれば、買い物は中止。外に出てこどもに言 い聞かせて戻るか、あるいは収まらないのであれば今日の夕飯は家にあるインスタン トラーメンにでもして、帰宅する事でしょうねと提案しました。けれども状況にもよ りますし、年齢がまた上がれば、言い聞かせができるので多少の譲歩は可能となりま す。あくまでもその時期のその状態です。 しかし彼女がもっとも気になっていたことはある育児雑誌に書かれていた、「だめと いわないしつけ」についてでした。つまり本当にだめをいわないで育てられるかとい う疑問を投げかけたかったのでした。

私はこどもに「だめ」を言わないでどうやって しつけの基本であるよい、悪いを伝えられるかといいました。 もちろん子どもがいる家であればそれなりの安全対策をひく必要はあります。テレビ やビデオのスイッチなどを勝手に触らないようにする、キッチンに入らないようにす る、危険なものが入った引出しはあけられないようにするなどこれはこどもがいる家 庭であればどの家庭でも行われているでしょう。このような対策を嵩じていなけれ ば、一日中だめを連発しなくてはならなくて、母親が疲れてしまうでしょう。この点 でしたら「だめをいわない環境づくり」ということで納得がいきます。

   しかし親として最低限のしつけは、こどもに何が悪いことか、何がよいことかを教え ていくことです。そして悪い事の中には他人に迷惑をかけてはいけないということが 含まれます。どんな未開な土地でも、どのような貧しい層の親でも、どのように教養 のない人達でも、何が他人に迷惑をかけるとか、何が相手に不快な感情を与えるかぐ らいはわかり、それをしないようにこどもたちにしつけています。これはしつけの基 本中の基本です。子ども達に「だめ」を教えないで、いったい何を教えるのでしょ う。親としての義務を放棄したようなものではないでしょうか。

  あえて付け加える事といえばその「だめ」を言う頻度が高い時期があるということで す。まだものごとがわからない年齢だからとほっておくのでなく、もうどんなに小さ な時からでも「だめ」は「だめ」です。そしてなんでも「やだ、やだ」の時期には もっと「だめ」という機会が増えるでしょう。

  私の身内にしつけに甘い母親がいま す。彼女が息子を連れてくると、私はこれぞとばかり、いけないことは伝えていきま す。だからこわいおばちゃんのように彼の目には写るかもしれませんが、本当にだめ なことはだめなのです。それを親が注意しなければ他人が注意するのは当然です。私 は他人の子であれど躊躇しません。子どもを社会人としてきちんと育てるのは社会全 体の責任だと思っているからです。そのため彼はベターっと床にうつぶせになって一 人でふてくされるのです。(この光景がなんともかわいいのです。)けれどもそれも わずか数秒、やがて遊びに行ってしまいます。いいですね。こどもは根に残らないで すから。

  しかしこの「やだ」を連発する時期に心がけなくては行けないことは、いつもいつも 「だめ」の連発で親から押さえつけられていては、中学生のように「うるせえ、いい かげんにしてくれ!」と言いたくなるでしょう。これではかえっていじけてやる気の ない子になってしまうかもしれません。そのためある程度、出口も作ってあげておか なくてはならないでしょう。その「だめ」と同時に、のびのびと「いいよ」思う存分 やってごらんという、のびのび開放された空間ももたせてあげるとよいでしょう。こ れで本人のエネルギーも発散され、ママのストレスもかなり解消できることでしょ う。

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