親の役割り : 思春期の子どもを育てる

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の世の中、インターネットが生活の一部となり、便利になりました。私のように世界を相手に仕事をしているものにとっては一番にその恩恵を受けているといっても過言ではないでしょう。しかしその一方、世の中は時代の進歩と共に複雑になり、さらに自然であったはずの人間の営みが失われつつあります。特にそれが子ども達の生活に現れているのではないでしょうか?
 
 これからは新しい時代での子育ての仕方が要求されてきました。しかし、私達、新しくこのインターネットの時代に大人になってからはいってきたものが上手に子ども達にこの時代の生き方を伝えられますでしょうか?これは大きな課題であると思います。もうすでにその弊害が佐世保市のさとみちゃん事件に現れてきています。今、彼女の死を無駄にしないためにもしっかりと未来の子育てのあり方について見つめなおす時期が来ていると思います。
 
 もうアメリカでは両親共働きが当たり前となりました。日本では男性の給料の伸び悩み、リストラの不安などから女性も子どもを産んでからも仕事を続けるべきだという考えが広まって来ています。あるいは子どもが小さいうちは家にいて、ある程度大きくなってから仕事に復帰という形をとる家庭が増えています。私達は子どもが小さいうちはその成長が楽しいし、まだ手がかかるからと家で母親が子どもをみるという形をとりがちです。しかし私の考えでは、本当の子育ては、子育ての最終段階である人間形成の仕上げというべき思春期が一番肝心であると信じています。確かにもう身の回りのことは何でも自分でできる年齢になります。しかし、心の成長の仕上げはこの時期なのです。子どもは思春期に子ども時代のベーシックな成長をもう一度繰り返すように思えます。そしてそれをしっかり今度は自分で納得して経験して大きく羽ばたくのだと私は信じています。
 
 この時期にしっかり親が心の成長を見守ってあげていない状況でいるとどうなるのでしょうか?子どもは疑問があったり、問題にぶつかったりして相談する人生の先輩が身近にいないのであれば、どこへいくのでしょうか? それはお互いに試行錯誤の状態でいる同年齢の友達に答えを求めたり、ネットに求めたり、自分の中で悩んだりするでしょう。そしていまや相手の顔も表情もわからないチャットや掲示板の架空の相談相手に人生の指針を求めているのです。その結果、ますます本人は困惑し、感情的に思いつめた行動に走るのではないでしょうか? ついこの間までは子ども達の自殺、そして今はいやな相手は殺しちゃえと考え、それを簡単に実行するようにまで変わってしまっています。感情を上手にコントロールできなくなっている切れやすい子ども達。これはコントロールを教えることをおこたってきた大人に責任があるとしか思えません。
 
 子どもを育てること、人間を一人前に育てることはそんなに簡単な仕事ではありません。今でこそ子ども達としっかり向き合える親の養成が求められています。それではどうしたらいいのでしょうか?箇条書きに書いてそれを守れば完璧かという問題ではありませんが、参考になれば。
 
 ・ 子どもを育てることは両親の責任 (子どもに関することは二人で相談して決めていく)
 ・ 夫婦のコミュニケーションがうまくとれていないと子どもはその下でゆらぐ
 ・ 余裕のある生活をする。ぎりぎりの時間の中で生活しない。子どもが何か話したいとアプローチした時にその時間をとってあげられるくらいの余裕をいつももつ生活を心がけること。
 ・ 口に出すことがすべて本当だとは信じないこと。場合によっては逆のことを伝えようとしているのかもしれない。その判断ができる訓練と冷静に子どもの一時的な感情を受け止められるくらいの成長を親に求められる。
 ・ 親は子どもの感情に振り回されないこと。
 ・ 親は困ったとき、つらくなったときに思春期の子どもを育てた経験のある育児の先輩にためらわずに相談すること。親もつらい。周りからのサポートが必要であることを認めること。みんなそうやってこの時期を乗り越えているのだから。
 ・ 子どもの友達のことをよく知っておくこと。これは日々のコミュニケーションの中で自然とわかってくる。学校の先生とも連絡を意識的にとっておくこと。定期的に電話を入れるなり、家の様子などをメモにして送る。
 ・ アドバイスはひかえる。ただ聞いてあげることに徹すること。最後まで聞いてあげること。人生における大切なアドバイスをしたいと思った時は本人はどう考えているかを聞き出し、自分で正しい選択ができるように導くこと。もし間違った考えと察した時は例としてその方法だとどのような結果が生まれるか本人の口からいわせる。親がアドバイスをしたり批判するととたんに彼らは口を閉じ、結局は心も閉じてしまいます。「うちの親にいってもわからない。」という結果になります。
 ・ 黙っているときはそっとしてあげる。かなり傷ついたか、失敗に気づいて反省しているかです。そこから自分なりに学んでいるはず。きっとあとから時間をみて、ぽろっと何が起きたかを伝えてくれるはず。プライドがあってとてもいえないこともある。この時期だからこそ失敗もある程度許されるのです。大人になってからはもう手遅れ。
 ・ 思春期の子ども達が悩みや相談をもってくるのは夜中の11時とか12時とか親が一番疲れていて、もう寝たいとき。
 ・ 2時間ほどのドライブでも、近くへの買い物でもとにかく子どもと二人だけの時間を努めてもうけるようにする。牛乳を買いに出るときでも誘ってみる。
 ・ 夕食は家族全員で食べ、食後の団欒のときをもとう。これも習慣付けること。
 ・ 子どもにストレスの多い生活をしいらないこと。
 ・ インターネットやテレビはせいぜい1時間と限定すること。親は何をしているかがわかるようにパソコンを目の届くところにおいておくこと。
 ・ 子どもは規則やきまりが必要です。生意気な口調を聞いても家を出るまでは親のコントロールの元にいることが本人の安心につながるのです。
 ・ 失敗も大切。失敗から学ぶことがこの時期はものすごく多い。人間関係でこの時期はものすごく悩みます。けれどもそれが今後社会に出た時に必要なのです。おおいに悩ませて学ばせること。聞いてあげること。質問すること。答えをいってはだめ、本人の口からその答えを出させること。
 ・ この時期他人との比較あっての自分しか見えていません。本人のもっているよさをうんと認めてほめてあげること。ないものに関してはあるものをうんとありがたいと思えるように。みんな違っていてもいいんだということを教える。
 ・ ほめることのついでに。まだまだこの時期、本人はてれくさそうに思うかもしれませんが、親にほめてもらうことをものすごく待っています。否定されても口に出して本人の功績を認めてあげること。
 ・ 自分の感情や気持ちを素直に現すことは大切です。それには親が自分の気持ちを素直に表すことによって子どもは学びます。表し方も大切そ。相手に悪い印象を与えないでうまく自分の気持ちを表せるように教えるのは親が見本となります。感情のコントロールができない親をみて子どもはああ、こうやって現せばいいんだとコピーします。
 ・ 感情でもう一つ。この時期子どもは感情の起伏が激しいです。ホルモンの影響もさることながら、こちらも更年期前でホルモンがたがた。それが波長を合わせたようにふりまわされていてはもともこうもありません。自分自身も子どもの感情で一喜一憂せずに冷静に状況を判断すること。パニクらない。
 ・ すぐ答えを出さないこと。むずかしい決断だったらパパと相談して決めるねって伝えること。だいたいすぐ答えを求めるのは朝学校へ行く前だったり、親が仕事に出かける前など。
 ・ 親が子どもの部屋に入ることに慣れさせておくこと。ドアはいつもあけた状態にしておくこと。ロックがあるのなら、ロックをするのは着替えをしているときだけと決める。
 
 リストはまだまだ続きます。はっきりいって本がかけるほどです。子育ての仕上げは幼児期の子育てよりむずかしいと私は思います。最後に、ティーネージャーを育てた結果とは自分自身の成長につながることを覚えておきましょう。彼らから学んだことは自分自身がの時期に学べなかったことであるかもしれません。彼らが育つことによって皆さん自信もまたすてきに輝くことでしょう。

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