麻薬と覚醒剤の勉強会

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日本では麻薬や覚せい剤のニュースが世間を賑わせていますが、2002年と2003年に私が地域の学校で行われた親のための麻薬や覚せい剤に関する勉強会に出席して学んだことをメルマガに書いた記事を、最近の情報を少し付け加えて再掲載します。

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SweetHeartの掲示板に、数週間前、ドイツ在住の方が、最近幼い子どもにキャンディーと騙して麻薬を渡したり、シールなどに麻薬液を沁み込ませて子ども達に配り、誰も気づかないうちに子ども達を中毒にしてしまう事件があるという書き込みをされていました。

あまりレスがつかなくて、書き込みされた方は拍子抜けされていたようですが、確かに多くの親は麻薬なんて、自分の世界とは関係のないと思っていることでしょう。特に日本に住んでいる場合は、「麻薬なんてヤクザか芸能人か、そのこどもとかがやっている自分とは遠い存在。でも怖いわねー。」と遠巻きに見ている人が多いのではないでしょうか。

しかしながら日本でも14歳~19歳の間で覚せい剤や薬物の乱用を急増しているといいます。ちなみに平成8年(1996年)に覚せい剤の乱用により補導された中・高校生の数は平成元年以降最高を記録し、特に高校生においては,平成7年(1995年)の約2.3倍になっているそうです。決して対岸の火事ではありません。

(現在の情況の付け足し:厚生労働省によると、2008年の覚せい剤事件検挙者は1万1231人。その内、未成年者は255人。その内高校生は34人、中学生は8人。過去5年間で検挙者が最も多かったのは05年の1万3549人。未成年は435人で中学生23人、高校生55人。つまり麻薬、覚せい剤の広がりは今始まったことではなく、既に随分前から大問題なのです。)

特に、日本国内においては、中学生や高校生など青少年の間で薬物乱用に対する警戒心や抵抗感が薄れるなど「第三次覚せい剤乱用期」といわれる状態が続いているそうです。

私の場合は、私の知り合いで数人が麻薬中毒になり人生を台無しにしてしまうのを見てきたので、他人事ではないという意識はありましたが、先日、近くの小学校で開かれた「こどもたちと麻薬の現状」というミーティングに参加して、数倍もの危機感を持ちました。

ゲストスピーカーは麻薬取締官や警官、病院関係者で、市場に出ている麻薬の種類、その影響、ダメージ、入手法、そしてどうやったら子ども達を守ることができるのかが淡々と語られていきました。

私が即答できる麻薬の種類は、大麻、マリファナ、コカイン、ヘロイン、モルヒネ位なものでしたが、現在出回っている麻薬は、数十種類にも及び、最もポピュラーなのがエクスタシーだそうです。(今回の押尾学の逮捕で、あ、あれだ!とこの記事の記憶が蘇ってきました。)

エクタシー合成麻薬(MDMA)で摂取すると心臓の動悸が速まり、体内温度が急激に上昇し臓器が破損し死に到ります。体温上昇に気づかず急激な発汗にもかかわらず水分摂取を怠れば脱水症状で死に至ります。病院関係者の話では、エクスタシーで死亡した18歳の少年の体が死亡後5時間も経っていたにもかかわらず108度(摂氏42度)もあったそうです。

また、エクスタシーは、下手をすると、たった1回の興味本位使用で死に至る可能性もあるのが怖いところで、エクスタシーを常用した人の脳のCTスキャンを見ると、脳のあちこちが空洞化してしまいます。(その脳の写真も見せてもらいましたが、まるでネズミが食べたスイス・チーズのようです。)

kusuri.jpgイギリスでは10歳の少女が誤って「エクスタシー」を飲んでしまい最年少犠牲者となっています。なぜ、誤飲が起きるのか?麻薬取締官が見せてくれたエクスタシーの写真で納得がいきました。写真には100種類近くの錠剤に姿を変えたエクスタシーが写っていました。どれも、ちょうど日本のラムネ菓子のような形状で、その小さな錠剤にはポケモンやかわいい動物達などの模様が入っていて、子どもが食べたくなるように成型してあるのです。

エクスタシーは、中毒性がない副作用がないという嘘八百の噂とともに急速に若者達の間で広がりました。特に「レイブ」と呼ばれる暗闇の中でハイペースと大きなボリュームの音楽に合わせて踊る若者向けパーティーで、その恍惚感を高めるということで気軽に使われるようになってしまいました。(麻薬は、一錠$20~$40と高額で、貧困層の子どもではなく、富裕層の子どもたちの間で広がっています。)

エクスタシーのほとんどはオランダで作られているといいますが、1996年にケネディー空港で摘発されたのは8錠のみだったのが、99年には350万錠というからすごいです。日本でも、既にバツという名で暴力団組織や外国人グループを介したりインターネット販売を通して急増しているそうです。(Ecstacy→XTC→X→バツ)

その他にも、1~2滴でも飲み物の中に入れられたら、女性の場合レイプされても抵抗できないどころか記憶さえ無くなってしまうというPMAという味も臭いも色もない薬物(何が起こったのかわからず素っ裸でフラフラと道路を歩いている女性を保護することがあるそうです。たとえば同じカウンターで飲んでいて、何かに手を伸ばすふりをして飲み物に数的入れたり、トイレに立った隙に入れたり・・と色々な手口があるそうです)。

昔の40倍もの強さがあるというマリファナ。写真つきのリストを見せてくれましたが、あまりに数が多くて、ここでは紹介し切れません。

それでは、どうやったら子ども達を、魔の手から守ったらいいのか?小さいうちは、親が注意してあげていればいいが、ティーンエイジャーになれば、そうはいきません。結局、親子のコミュニケーションを密にとることが一番だそうです。「出かける時にはどこに行くのか。誰と会うのか、いつ帰ってくるのか。」それだけでも随分違うそうです。とにかく無関心が一番よくないそうです。

私の住む町の場合、小学校の高学年くらいから麻薬に関する教育は始まります。小学生向けには、麻薬に対する基礎的な知識の教育だそうですが、中学に入ると恐怖心を煽るために中毒者の写真やその他かなり怖い写真やビデオを見せられるそうです。また、麻薬の問題ばかりではなく子どもの安全を保つため一日を通して警官が数回Walk Through といって学校の中を見回りにきます。そこまでやっても、14歳位になると、多くの子ども達が麻薬を始めてしまいます。それほど麻薬は身近に存在し、タバコを吸うのと同じくらいに抵抗感や警戒感を覚えないものになってしまっているということなのでしょう。

ニュージャージー州の法律では、もし自分が麻薬をやっていなくても麻薬が使われたパーティーに居合わせたというだけで、逮捕基準となり学校の記録に残され、スポーツなどのクラブ活動もできなくなってしまうそうで、警察官いわく、「もし子どもが、どこにいても何時であっても、もし麻薬をしている人と居合わせた場合は、No question askedで親が迎に行けることを子どもに伝えておくこと。」だそうです。

それから、もう1点言いたいことは、覚醒剤の中毒性の高さです。1度覚醒剤にはまった人を立ち直らせることは並大抵なことではない!ということです。

娘が覚醒剤にはまってしまった、夫の親友(警察官)が、「薬を1度やったものは、一生、その誘惑と戦わなければならない。覚醒剤中毒者は、薬を買うためなら何でもする。」と言っていました。彼の娘は大学の寮で覚醒剤を覚え、薬を買うお金欲しさに自分の体まで売るようになってしまいました(薬を始めたきっかけは、お尻が大きいのを気にしていて、覚せい剤で痩せると言われたのがきっかけだそうです)。

1度は命も落としかねないポルノ映画に出演させられている所を乗り込んだ父親に命からがら助け出されたこともあったそうです。覚醒剤リハビリセンターに何度も入院し、2~3年は薬を断ち切れるのですが、必ずまた薬に手を出してしまうということを過去10年繰り返しています。(あるうパーティーで会った時も完全に行ってました。)

夫の音楽仲間も15年前から覚醒剤にはまり、お金のトラブルでその筋の人にボコボコにされ、覚醒剤リハビリセンターに入院。その後、入退院を繰り返しました。7年前、妻と友人の力でついに覚醒剤を断ち、自分の経験を役立てようと、覚醒剤依存症の人を立ち直させるため、心理学を学び、大学、大学院、PHD博士号まで取りました。ところが、去年、突然、失踪。再び覚醒剤漬けになって発見されました。その後また失踪、音信不通のままです。

 

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最近、のりピー関連やら何やらで、薬物についてのニュースがひっきりなしですが・・・。 SweetHeart日記さんで、「麻薬と覚醒剤の勉強会」とい... 続きを読む

コメント(4)

大切な情報をお伝え下さり、ありがとうございます。
日本でも、今、麻薬汚染は大きな問題になっていますが
私の回りでも、麻薬の問題が身近にあったことを、最近知りました。
本当に悲しく、悔しい思いでいっぱいです。
あんなに、目を輝かし、未来に希望を見ていた、きらきらと輝く目を持っていた子供たちが、麻薬の誘惑と戦わなくてはならないことが、大きな人生の課題となってしまったのです。

麻薬の依存性というのは、想像できないほど大変なものなのかもしれません。それでも、ほとんどの人が耐え難い痛みを感じる癌でも、中には稀に、痛みを感じない人がいることや、現代医学では、手もつけられないような末期癌でも、時に奇跡的に自然治癒する人がいるように、人間の身体には、まだ解明されていない力があります。
過ちを犯してしまった中毒症状を持った人間にも、希望が残されていることを信じたいと思います。どうか、私たちの科学が、人間にすでに備わった癒しの力を発見し、私たちの金銭のためなら人間性も破壊すると言う人間の業に、打ち勝つようにと祈らずにいられません。

先日、メスと言われるメタンフェタミンの被害者(子ども)の見分け方、というパンフレットを読んだばかりです。医療関係者やデイケアプロバイダー向けのものです。パンフレットによると、メスは家庭で簡単に作れるため、その家(メス工場)に子どもがいる場合、被害者になりやすいと書かれていました。メスを作るための液体を牛乳のプラスチック容器に入れて隠したりため、子どもが誤飲することが多いそうです。またそのパンフレットには、メスの合成中に爆発事故が起きて火傷を負った子どもの写真が載っていて衝撃的でした。メスに手を出した大人の身勝手さが、罪も無い子ども達をメスの二次的被害者にしているのだと痛感しました。快感と引き換えに廃人になる。日本公告機構の「人間やめますか」という宣伝文句どおりです。手を出した人は自己責任で廃人になるのでしょうが、子ども達を巻き込むのは止めて欲しいと思いました。そして売人はお金儲けのために絶対自分たちはクスリに手を出さないと知り、他人を廃人にしてまで金儲けをする人間がいることに憤りを感じます。

蓮花さんやコカさんの書いていらっしゃるとおり、他人を俳人にしてでも金儲けをするという根源の悪に怒りを感じると同時に無力感も感じます。現在メキシコでのドラッグ戦争、アフガニスタンで飢え死にするよりはと大麻を育てる農民などなど。

テラさんトラックバックありがとうございます。親の責任も大きいかもしれませんが、親の力だけではどうにもならないことも、これまたあると感じる今日このごろです。たとえば私の周りでも親は申し分のない人格者、尊敬できる個人であっても、必ずしも全ての子が親のようになるとは限らないの例を数多く目にしています。名選手が必ずしも名監督ならず。名人格者必ずしも名親ならず。たとえ名監督であっても全ての人を名選手にできるわけでもない。

全てを親の責任にはできないと感じます。

麻薬や戦争、飢えで人が死んでいくというのは、人口淘汰に必要なことなのかな。。。と考えると、無力感を覚えます。そういう考えだと、人工中絶も必要という考えに至るのかなあと思いました(飛躍しすぎですが)。たとえばUSAIDがアフガニスタンや途上国で農業指導を含めて色んな援助していますが、アメリカの手先という見方が根強く、信頼されなかったりします。それでは他の裕福なイスラム諸国が援助をするかというと、そういうわけにもいかない。他の非営利団体も援助していますが、成果は短時間に出るわけではない。そして仮に大麻を撲滅できたとしても、今度はメスのように市販されている薬品から違法なクスリを作り出すのだと思います。その点で化学者の発明というのは、人類の為という大義名分がありながら、廃人にもしかねない破壊力があるのだと危機感を抱いています。

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