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勝負脳を鍛える

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以前にも書きましたが、私がよくIpodに落として車の移動中などに聞いているPodcastにサイエンストークと言う番組があります。(WindowMediaでも聞けます。)

今日、聞いた林成之さん  (日本大学大学院教授、救急医学、脳の生命科学) の『「勝負脳」を鍛えよう』が、とても面白かったです。 

林さんは、サッカー日本代表のオシム前監督の命を救った「脳低温療法」の開発者として世界的な評価を受けている方で、最近では「脳の仕組みを解明して、知能や才能を十分に発揮しよう」と脳の研究を進めています。

北京オリンピックの日本競泳陣に「勝つための脳=勝負脳」について講義し、北島選手を金メダルに導いているそうです。

話の中には幾つも興味深い話が出てきましたが、一つだけご要約して紹介します。

「赤ちゃんは生後3ヶ月で目に見えるようになります。その時から目に入った情報を元に脳が考えることを始めます。赤ちゃんが最初に見るのはお母さんで、赤ちゃんにとってはお母さんは他我ではなく自我の一部なのです。

お母さんを喜ばせる=自分がうれしい。つまりお母さんを好きになることから考える仕組みが始まります。つまり好きになることから考えることが始まるのです。嫌いな先生の科目が伸びないのもそのせいです。」

http://www.tbs.co.jp/radio/xitalk/

試聴する Ipodのない方でもダウンロードしてWindows Mediaで聞くことができます。

ワルキューレ--トムクルーズ主演

warukyu.jpgトップページに載せているガンジーのQuote

A small body of determined spirits fired by an unquenchable faith in their mission can alter the course of history.

この言葉を読んで、おとといDVDで見たトム・クルーズ主演の「Valkyrie ワルキューレ」が、思い浮かびました。

トムクルーズが演じるのは、悪夢へと突き進むヒットラーの独裁政権下で、たとえ国を裏切ることになっても、たとえ家族(妊娠中の妻と5人の子供たち)の命を危険にさらしても、信じる正義を実行するために、自らの手でヒットラーを暗殺しようとした陸軍大佐Claus von Stauffenbergです。

私も初めて知ったのですが、鉄の結束を誇るドイツ軍の中に、かなり組織だってクーデターを試みた人達がいたということは他の国の多くの人にあまり知られていない事実だと思います。

史実で既に明らかなように、暗殺の試みは失敗に終わったわけですが、見終わって何よりも、トムクルーズ演じる陸軍大佐の勇気に思いを馳せました。

たとえば今の北朝鮮で政権転覆を企てることを考えると、現在に置き換えてその勇気が伝わってきます。失敗すれば、自分だけではなく、愛する妻、幼い子ども達、母、父ともども死刑または強制収容所送りは確実美な情況下で自分の信じるところ"Faith"を原動力に、粛々と暗殺計画を実行に移していくその勇気は想像を絶します。

正に

A small body of determined spirits fired by an unquenchable faith in their mission can alter the course of history.

という信念を感じます。

クリスチャンである夫の解釈はこうです。(ちなみにStauffenberg大佐はクリスチャンであり、冒頭のシーンで首にかけた十字架がクローズアップされるので、映画のメッセージもこの部分にかなりこめられていると思います。)「キリスト教では神が自分の一番大切な息子を捧げるよね。Stauffenberg大佐のFaithも、そこにあるんじゃないかな。」と。

なるほど・・・そのような見方をすると、さらにこの映画は深く見ることができると思います。

こちらには実際のStauffenberg大佐や家族の写真が豊富に掲載されています。

http://www.topfoto.co.uk/gallery/valkyrie/ppages/ppage57.html

 

下記リンクは生き残ることができたStauffenberg大佐の長男(当時9歳)による、その後の家族に何が起こったに関する記事で大変興味深かったです。

 http://www.historynet.com/claus-von-stauffenberg-the-man-who-tried-to-kill-hitler.htm

 

この映画がドイツでどのように評価されるのかはわかりませんが、極悪非道、人間味のない悪役ナチス・ドイツとして描かれることの多いハリウッド映画で、このような史実があったということにも光が当てられたことは画期的なことでは、と思います。

ドイツに長くお住まいの方、ドイツ人と結婚なさっている方、よろしかったらご意見をお聞かせください。

最後に「トムクルーズの演技力は、さすが」と思いました。

昨日の読売新聞に短いながら大変感動的な話が載っていました。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081207-OYT1T00499.htm

第二世界大戦中、インドネシア沖で撃沈されて漂流中に日本軍の駆逐艦「雷(いかづち)」に救われた元英国海軍乗組員422人の内の一人、サムエル・フォール卿(Sir. Sam Falle)が、長年、恩人である「雷」の艦長工藤俊作氏を探し続け、89歳にして、ようやくその墓前で手を合わせたという話です。

1942年、フォール氏が乗った英軍艦は撃沈され、乗員422人が重油にまみれながら20時間以上漂流。生存の限界に達していたとき、ようやく現れた船の影。一時は歓喜したものの、船が近づくにつれ、それが日本軍のものとわかり、機銃掃射され最後を迎えると一旦は覚悟を決めます。日本人は冷酷無比と思われていたからです。ところが、船には救助活動中の国際信号旗が掲げられました。艦長工藤俊作氏の「救助せよ」、との英断でした。

船に泳ぎ着いたものの力尽きて沈む者も続出。雷の乗組員は自ら海に飛び込み、救助にあたり、全員を救助。重油でまみれた英兵達の体をふき、衣服や暖かい食事を与えました。フォール氏は、この幸運を信じられる何度も自分の手をつねってみたそうです。

また、救助地帯は激戦区であったにも関わらず、終日、漂流している人を探しまわり最後の一人まで救い、翌日、英兵全員はオランダの救助船に引き渡されたました。

フォール卿は、後にスェーデン大使などとして活躍し、その間も、工藤氏への恩を決して忘れることなく探し続けます。2003年、84歳の時に心臓病を患いながらも自ら日本を訪れますが、消息は知れず。ところが、その後、救助の秘話を知った作家惠 隆之介氏たちの尽力によって、ようやく消息がわかり、89歳という高齢にもかかわらず再度日本の土を踏み、1979年77歳で亡くなっていた工藤氏のお墓参りを果たしたということです。

工藤氏の消息が、なかなか掴めなかったのは、工藤氏が生前、奥さんを含め周囲の誰にも一言も戦争中の体験を語らず、ひっそりと余生を過ごしたためだったそうです。

アンビリバボーというタケシの番組で2007年に紹介された時の動画。感動します。

http://f.flvmaker.com/mc.php?id=bBrFdfgR2olEKcM8_4XfDOR8jt7q4yj1p4Fo.D_ATHLWL_bOqEQGqpg7tI/zcZk/JpXPN9bhkiagRRlehCk0_ti6

 

親は弓、子どもは矢

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人間に育てること』(長谷川一彌さん主催の人気ブログ「人生を豊かに生きるための『知恵・コツ満載ブログ』)を読んで私の大好きなKahlil Gibran(カリール・ジブラン)のChildrenという詩を思い出しました。私なりの日本語訳もつけてみました。


"Prophet"
<Kahlil Gibran writes: >

Your children are not your children.

They are the sons and daughters of Life’s longing for itself.

They come through you but not from you,
And though they are with you yet they belong not to you.

You may give them your love but not your thoughts,
For they have their own thoughts.

You may house their bodies but not their souls,
For their souls dwell in the house of tomorrow, which you cannot visit,
not even in your dreams.

You may strive to be like them, but seek not to make them like you.
For life goes not backward nor tarries with yesterday.

You are the bows from which your children as living arrows are sent forth.

The archer sees the mark upon the path of the infinite, and he bends
you with his might that his arrows may go swift and far.

Let your bending in the Archer’s hand be for gladness;
For even as he loves the arrow that flies, so he loves also the bow
that is stable.



あなたの子どもは あなたの子どもではない

彼らは生命そのものが望んだ息子と娘である

彼らはあなたを通って生まれてくるが、あなたから生まれるのではない

あなたと共にいるけれども、あなたのものではない

あなたは彼らに愛を与えなさい、しかし考えは与えてはいけない
彼らには自分の考えがあるのだから

彼らの体を住まわせてあげなさい、しかし魂を住まわせてはいけない
彼らの魂は明日の家に住み、あなたは夢の中でさえ訪れる事ができ
ないのだから

あなたが彼らのようになろうと努力してもよいが、彼らにあなたのよう
になることを求めてはいけない
生命は過去にさかのぼることなく、昨日に留まることさえないのだから

あなたは しなる弓であり、子ども達は放たれる矢

弓の射手は無限の彼方にねらいを見定め、力いっぱいあなたをしなら
せ矢はすばやく遠くへと飛んでゆくだろう

喜んで射手の手の中でしなりなさい
飛んでゆく矢は愛され、また留まる弓も愛されるのだから

<翻訳:SweetHeart>

日本語で翻訳本も発見したのでリンクをつけておきました。「預言者」という題で、なんだか怪しげなタイトル(英語版は表紙も怪しげ)ですが、とても素敵な詩の数々が掲載されています。

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