橋をかける―子供時代の読書の思い出 by 皇后美智子さま

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michi.jpg橋をかける―子供時代の読書の思い出

皇后美智子さまの1998年インドのニューデリーで行われた国際児童図書評議会基調講演の内容を収録した本です。


第二次世界大戦中、疎開先にお父様が持ってきてくれた数少ない本から多くのことを学んだ美智子様の大変率直なご意見が語られています。美智子様というと、なにやら大変遠い存在のような気がしていましたが、大変思慮深い一人の女の子だった美智子様の様子や、一人の読み聞かせをされる母親としてのありようが、すんなりと伝わってきました。

特に、スピーチの最後の言葉は美智子様の人柄を写すようで印象的でしたので、その部分のみ引用します。

「自分とは比較にならぬ多くの苦しみ、悲しみを経ている子供達の存在を思いますと、私は、自分の恵まれ、保護されていた子供時代に、なお悲しみはあったと言うことを控えるべきかもしれません。

しかしどのような生にも悲しみはあり、一人一人の子供の涙には、それなりの重さがあります。私が、自分の小さな悲しみの中で、本の中に喜びを見出せたことは恩恵でした。本の中で人生の悲しみを知ることは、自分の人生に幾ばくかの厚みを加え、他者への思いを深めますが、本の中で、過去現在の作家の創作の源となった喜びに触れることは、読む者に生きる喜びを与え、失意の時に生きようとする希望を取り戻させ、再び飛躍する翼をととのえさせます。

悲しみの多いこの世を子供が行き続けるためには、悲しみに耐える心が養われると共に、喜びを敏感に感じとる心、又、喜びに向かって伸びようとする心が養われることが大切だと思います。」

随分前になりますが、プリンストンに滞在中の大江健三郎氏が日本語学校に講演に来てくださったことがありました。その講演の中で、戦時中、鬼畜米兵という言葉を鵜呑みにする息子のために、母親が自分の着物を売って、当時は大変入手が困難だった敵国アメリカの本「ハックルベリーの冒険」をバスなどを乗り継いで数日かかって手に入れてくださったという話をしていました。その本を読んで大江さんはアメリカ人も同じ人間だということを悟ったということですが、子供時代の読書の意味は実に大きいものだと美智子様の本を読んで改めて思いました。

「橋をかける」は日本語と英語で収録されてあります。また講演の中で美智子様が触れた本の目録も網羅してあります。 

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コメント(2)

 私も美智子様は賢い人だと想います。回りの人に気配りも大変だとおもいます。純粋に生きて行って下さる方だと信じます。天皇家に嫁がれ苦労も有ったでしょう。天皇は神ではないのです。貴女が学んだキリスト教が正しい判断を下すでしょう、日本国の象徴としての、難しさもありますが、キリスト教を信じて生きて行って欲しいものです。決して神様は拒む事なく貴女を受け入れてくださると、信じて居ます。宗教の自由は貴女にもある筈です。
 私は一人のクリスチャンにすぎませんが、世界平和を常に祈っています。他の人を思いやる心はあなたと同じだと想います。平和が無ければ何も出来ません、東アジア、アフリカ、貧しい国が多くあります、その人達の救いの架け橋と成る事を願っています。私達の教会は小さな教会です。毎月平和の祈りの日を設けています。教会だけの祈りにしたく在りません。この祈りを全世界に広げて行きたいと考え、祈っています。その為には、皆さんの協力無くしては何も出来ません。この宇宙は神様で一杯です。主なる神様です。皆、平等です、この事を申し上げたかったのです。如何か、主の平和が在ります様に。
 アフリカの各国も発展していくには、揉め事も多い事でしょう。神に祈ります。どうぞ平和な進歩を下さい。アーメン。

 私はクリスチャンとして16年間生きてきました。しかし神様の御意志で入院させられました。医師の診察も受けぬまま、保護入院させられました。そうです統合失調症だと医師は言うのですが、原因は親父の霊に寄るものでした。しかし親を恨み、神を恨む事等私には出来ません。今は自由の身になって元気一杯活動しています。精神の悩みを貴女も経験されたと聴きます、如何かこれ以上、神様に願う事ですが、私達を苦しめて欲しくない、無事に一生を終わらして欲しいものです。入院した病院が悪かったと思います、儲け主義で患者の事なぞ後回しという病院でした。今私は回顧録を書いていますが、2年1ヶ月4日の入院生活は厳しかった、廃人に成るのかとさえ感じました。投薬ミスがありました、今はクリニックに変えて、市の援助で生活しています。神様は無慈悲な事をなさるなんて思わないで下さい。人間は神様の意志で生かされているのです。お陰で親父の霊の束縛から解き放されました。医師は病理の事を話しますが、決して正しい判断ではありませんでした。貴女達は皇族だと大事にされますが、わたくしの病院では、患者は廃人にされるのですよ、30年も40年も入院生活をしている人達がいます。漢字ひとつ書け無くされるのです、もっと環境を良くして欲しいものです。運動もさせない病院なのです、皆筋肉なぞ落ちてしまって何にも出来ない様にされてしまうのです。蚤、しらみ事件もありました。人権を何と考えているのか。今までで一番きつい人生だった思います。弱い立場の人間を神様どうぞ救ってください。アーメン。

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