ストア・ブランドのクレジットカードに御用心

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cred.jpg最近、非常に煩わしいと思うのが、買い物する度に、多くの店のレジで、そのストア・ブランドのクレジットカードを作ることを薦められることです。

買い物の際、そこのブランドのカードを使って支払いをすれば、10~15%引きになるというものが多いのですが、カードを作らせようとする、しつこさの度合いから、クレジットカードを作らせることが、いかに、その店にもクレジットカード会社にも儲けになるか、ということがわかります。

(実際、店員に、1週間に一定人数のカード申請者を勧誘するように義務付けていたり、給料審査や昇進にその勧誘成果を見る店も多いそうです。

なぜストア・ブランドのクレジットカードを作らせたいかは、こうです。店はAmex,MC、Visaのカードを自分の店で扱えるようにするために、クレジットカード各社と契約を結び、客がカードで支払う度に、それらのカード会社にprocessing fee というものを支払っています。この金額が馬鹿にならない金額なのです。ところが、自社ブランドのカードであれば、この莫大なprocessing feeを支払う必要がなくなり、反対に自社クレジットカードを契約している会社から、お金を受け取ることができるのです。)

でも、買い物する度に、「カードを作れば15%引きですよ。」などと言われると、「うーん、カードを作らないと損しちゃう。」と思うようになってしまうから不思議です。

それに、No Thank youと断る度に、店員に『え?どうして作らないの?』というような怪訝な顔をされるのも非常にうっとおしく感じ(これも戦略なんでしょうね、きっと。)、なぜか客である私が、カードを作らないことで罪の意識を感じ、いちいち作らない理由を説明しなければならない変な義務感さえ感じてしまい、あとで腹立たしくさえなるんです。

カードは期限内に一括払いさえしていれば問題ないんでしょうが、一旦リボルビング払いのアリ地獄にはまってしまうと、そこから抜け出すのが大変で、アメリカでは、カード破産する人がたくさんいるそうです。

たとえば、最近、真剣にカードを作ろうかと考えたBanana Republicの利息は17.4%です。その他、

Macy's 22.9 %
Nordstrom 21 %  
Bloomingdale 21.6 %

となっています。

日本の消費者金融の年率を、ちょっと調べてみたら、たとえばモビットが9.8~18%、アットローンが9.5~18%。

つまり、クレジット・カードの金利は「高利貸し」、もとい、「サラ金」、もとい「消費者金融」並か、それ以上だと思うと、エ~~!と思いませんか?

さらに調べていて、色々なクレジットカードの消費者レビューの面白いサイトを見つけました。

http://www.cardoffers.com/

ここにBanana Republic クレジットカードの最悪レビューがたくさん出ていました。
 http://www.cardoffers.com/introComments/posted/card.asp?idmin=10378

たとえば、「請求書がいつも送れて届くために支払いが遅れて、とんでもない金額の延滞料を請求された」とか、「支払期日に間に合うように電話で支払いをしようとしたら、電話特別料金を請求された」とか、「支払いが遅れたら利子が23%~29.99%に跳ね上がった」とかいうもの。多くの人が10~15%ディスカウントに惹かれてカードを作ったために、ひどい目に遭ったというコメントをしています。

15%引きに血迷ってクレジット・カードを作らなくてよかった~!

ストア・ブランドのクレジットカードとは、体のいい高利貸しです。

始末が悪く危険なのは、日本では「消費者金融」と聞けば、「手を出してはいけない怖いもの」というイメージがありますが(そのイメージを払拭するために、やたらCMに有名人を起用してますが・・・)、ストア・ブランドのクレジットカードの場合は、そのようなイメージが消費者にないことだと思います。

(皮肉なのは、バイブルにはThou shalt take no interest of thy brother,と利息を取ることを禁じていることです。)

先日、CNNの世界ニュースで、日本が、いまだにキャッシュ社会であり、クレジットカードを敬遠する人が多いということがニュースになっていました。そして銀行のATMで現金をおろしているOL風の女性がインタビューに答えて、「持っている以上のお金を使わないようにしています。」という言葉を映していました。ニュースというのは、非日常的なことだからこそニュース性があるわけですが、「持っている以上のお金を使わない」という、ごく当たり前のような感覚がアメリカではニュースになるほど珍しいことになっているのか、と改めてクレジット・カード社会アメリカのコワさを感じました。

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