子どもの喧嘩も警察沙汰(その後)

| コメント(6)

以下の記事は2005年4月に書いたもので日記引越しに伴いアップし落としていたのですが、メリーアンさんからリクエストがありましたので、改めてアップすると同時に、その後のさらに驚くべき顛末を付け足しました。

***

昨晩、小3の息子が学校からもらってきた印刷物の内容にびっくりしました。

「学校、校庭、スクールバス公園、どこであろうと、子どもが何歳であろうと、どんなに些細な出来事であろうと、今後、人を蹴る、ぶつ、押すなどした場合、学校は警察に報告する義務があります。よって、もし警察から、連絡があった場合には驚かないように。そして、子どもには、どんなことがあっても手や足を出さないことが大切だということを教えてください。(校長の署名)」

というものです。ど・ど・ど〜して〜〜〜全く理解に苦しみます。たとえば、もし息子が校庭で、子ども同士のちょっとしたいざこざで、お友達を押してしまった・・なーんてことだけでも警察から連絡が来るということですよね。

数年前に中学生の息子が、仲の良い友達とちょっとした喧嘩をしてカフェで友達の顔をたたいてしまったことがあるのですが、それだけで3日の停学処分になったことがありました。(たたかれた友達の方が、その重い処分にびっくりしてお母さんと一緒に息子に謝ってきました。)それだけでも、かなりアメリカの暴力に対する厳格な態度には、びっくりしていたのですが、なんと今後は警察沙汰になると言うのです。いやーびっくりびっくり。ちなみに、私の住む町は、郊外の大変治安の良い土地です。子どもがバタフライナイフやピストルを持ってくるような土地柄じゃ全然ありません。

一方で、他国に正義のためとボンボン爆弾落として先制攻撃しちゃう国なのに、なんかなーと割り切れない気持ちでいっぱいです。

そういえば、昨日のテレビ討論のような番組で、8歳の少女が学校で暴れたので、親が迎えに来るまで警官に手錠をかけられていたということが問題になっていました。

何でも警察沙汰、何でも裁判沙汰になる今のアメリカです。

***

その後、地元の新聞には、このような厳しい取り決めを茶化した記事が掲載されました。

「先日のランチルームに給食のサラダが一皿なくなり、警察が総力を挙げて調査中。」とか
「先日○×公園で4歳の女の子が5歳の男の子を突き飛ばし警察が現場に急行。男児の親は女児に対して訴訟は検討していないという談話。」

というようなウソのような本当の話。

そして今年の4月頃のことです。

ある日の午後、次男の小学校の校長先生から電話がかかってきました。「おたくのお子さんとM君が先ほどB君に胸の辺りを殴られました。目撃者も数名いますが、お子さんには全く非はありませんし、スクール・ナースが身体検査をしましたが怪我もなかったので心配しないでくださいね。今、警察が呼ばれて事情聴取も済んだところです。

殴ったB君のお母さんが逆上していて、あなたの家に電話がかかってくるかもしれないので、今日は電話は取らない方がいいですよ。既にM君のお母さんにはB君のお母さんから電話がかかってきて大変だったそうです。でもM君のお母さんはB君のお母さんを訴えるつもりはないそうですけど。」などと言うのです。

私の知っている限りB君は乱暴なところはありますが、次男の話によく登場する友達の1人です。これは、B君が調子に乗りすぎて起こったことに違いないとすぐに思いました。そこで校長先生に「多分、ふざけ合っていて、つい手が出てしまったということじゃないんですか?」と聞くと「そうだとしてもB君は間違った選択をしました。」と冷ややかーな一言。

その後、帰宅した息子に事情を聞くと、先生や警察に何度も経緯を聞かれるし、大騒ぎで学校中の注目を浴びるし、もう何も話したくないと涙目になっていたのですが、おいおい落ち着いたところで話を聞くと、やはりB君がお調子に乗って手が出てしまったところを運の悪いことに、代教の先生(担任が休んでいた)が目撃、すぐさま校長に知らせ、警察が呼ばれたということでした。次男は警察の事情聴取でも「こんなのは殴られた内に入らないから大丈夫。」と答えたそうですが、気の毒にB君は、その日から3日間の停学。M君のお母さんを電話で罵倒したB君のお母さんは、警察官の付き添いなしに学校へ出入りすることを禁止されてしまったのでした。

コメント(6)

うわぁ!本当の話ですか?警察のお世話にならないうちに帰国したくなりました。それじゃ、言葉の暴力は、どこまで許されるのでしょうか?

夏休みの間、サマーキャンプに適応できなかった元クラスメイトの女の子(5歳)を家で預かったのですが、息子とはあまり上手く行きませんでした。私から見ても、彼女は勘に障ることをわざとするんですね。もて遊ぶ感じ。それで、息子は腹立ち紛れに軽く押したりする・・・。勿論、手を出す方が悪いのですが、息子を叱りながら正直なところ内心は複雑でした。
アメリカでは、口は出しても手を出した方が負け、という事ですね。

家族ぐるみで仲良くしている兄弟(9歳と6歳)はかなりやんちゃで、二人で格闘します。それを眺めながら、『ささいな暴力でも許されないアメリカでは、兄弟間だけで体験できることだなぁ』といつもしみじみ思います。(でもあの兄弟が他の人には全く何もしないとは信じ難いなぁ。でもきっとそうなんでしょうね。)

それにしても、そんな決まりが犯罪率を下げるのに効果的なんでしょうか?そんな些細な事を、警察に通報する様な教師を子供は信頼できるのでしょうか?

いやはや、やり過ぎですね、ほんとに。でも男の子の親としては反対に暴力を振るわれる事が少ない、という点で割と安心していられる面もあります。陰湿ないじめの方が表に出なくて大変そう、と思ってしまいます。
実は我が子も他の子を叩いたということで校長室に呼ばれた事があります。執拗に勉強中に邪魔をされやめて、と繰り返し言ったのにやめなかったのでつい手が出てしまったようです。(彼の証言ではなく複数の目撃者の証言なので本当のことだと思います。)
状況が状況なだけにあまり怒れなかったのですが、”暴力はいけないことだよ。”ということを身をもって体験したので彼としてはショックだったようですが、今後の為にはよかったと思っています。
後日校長先生に会ったのですが、規則上そうせざるを得なかったという雰囲気で、その件について全く触れず、子供の事を相変わらず褒めてくれたので、先生の方もいき過ぎだ、という思いはあるのでは、と感じました。

確かに行き過ぎの感はありますが、ここまでやらないと暴力が収まらないという一面もあるのでしょう。
丁度今朝、日本の小学校における校内暴力について特集をしていました。
校内暴力と言っても、普通の器物破損などに加え、教師への暴力も含まれているそうです。
しかし現在の日本では、生徒に下手に触ったりすると、「セクハラ」だの「暴力」だのと言われてしまうので手が出せないのだそうです。
これもまたおかしな話だと思いませんか?
例え授業中、板書をしている先生の背中に向かってはさみや彫刻刀が投げられたりしても教師は何も出来ないんだそうですよ?
これこそ、警察に知らせるべき事だと思うのですが。
自分の評価や学校の評価が下がることを気にして上に何の報告もしない教師や学校側もおかしいと思いますが。
どっちも変だけどどっちがマシ?と聞かれれば私は迷わず「アメリカ」と答えます。

SHさん、
早速、載せてくれてどうもありがとうございました。
それにしも小学校に警察というのには、驚きました。それも些細な事で。この前、我息子のハイスクールでパトカーを見つけ、驚いたのに、年齢に関係なくというのには、唖然と同時に言葉を失います。
SHさん、いつも色々情報を下さり感謝しております。いつか、私は、PA州NJ州との境なので、お会いしたいです。感謝、感謝。

SHさん、
早速、載せてくれてどうもありがとうございました。
それにしも小学校に警察というのには、驚きました。それも些細な事で。この前、我息子のハイスクールでパトカーを見つけ、驚いたのに、年齢に関係なくというのには、唖然と同時に言葉を失います。
SHさん、いつも色々情報を下さり,
とても勉強になり感謝しております。いつか、私は、PA州NJ州との境なので、お会いしたいです。感謝、感謝。

そもそも警察が小学校にまで呼ばれるようになったのには経緯があって、この区域の子どもが親に虐待をされていたのを学校が発見して対処をしたけれども警察へは連絡されなかった、というような出来事があって、今後は学校の出来事は警察にも必ず知らされるべきだ、というようなことになったようです。多分、この町のみの条例ようなものだと思います。

ただ一般的にどこの地域でも中学レベルになると警官が校内を見回りしたり、高校では常駐したりということも増えているようです。これはドラッグの問題もあるでしょうし、子供たちの安全という点もあると思います。多分、何年か前にコロンバインで起きた生徒により銃撃事件なども関係しているのかもしれません。パトカーが学校の駐車場に停まっているのを見慣れているせいか、私は全然違和感はなく、どちらかというと、子供立ちは守られているんだな、と安心感さえ覚えます。

このような条例以前に、やはり中学でチビだチビだと毎日からかわれていた長男の友達が、ついに、手を出して、手を出した方のみ三日間の停学になったことがあります。ちょっと理不尽ですよね。暴力は絶対にダメ、という姿勢が非常に強いことは確かです。

くま吉さん、その日本の情況も変ですね。校内暴力のある学校は先生も怖くて何もできなくなって、さらに生徒が付け上がるという悪循環が起きそうですね。

メリーアンさん、どうぞ近くに来た時には、ご連絡くださいね。

最近のブログ記事

最近のコメント