アメリカ人が字が下手な理由

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アメリカ人は字が汚い人が多いです。汚いを通り越して、どうにも判読不明の場合も結構あります。特に字が汚くて有名な職業はお医者さんです。処方箋をもらっても、まるで茹で過ぎたスパゲティーのように、のたくっていて、私には何が書いてあるのかまったくわからないことがあります。それでも薬剤師の人は、そういう字に慣れているのか、ちゃんと間違わずに薬を出しているわけで驚きます。

先日、新聞の一こま漫画でも、お医者さんがスキーをしていて林に突っ込み負傷してHELPと雪に書いて救助を待つのですが、誰も判読できずに救助隊が助けに来てくれない、というのがありました。

日本人の場合、どんなに字が汚い人でも判読不可能なまでヒドイというのは、なかなかないと思うので、なぜアメリカ人の字がここまで汚いのか、いつも不思議に思っていました。夫の祖母の話だと、昔はきちんとアメリカの学校にもPenmanship=「書き方」のクラスがあったので、今のように汚い字を書く人は、いなかったそうです。なるほどと思いましたが、今、子供たちの学校では、書き方のクラスがきちんとあるので、学校教育のせいばかりではなさそうだとも思っていました。

昨日、夫が書類になにやら書き込みながら「最近、字が下手になったなー。キーボードばかりたたいていて字を書かなくなったせいかもしれないなー。」という言った一言で「これだ!」と思いました。実は私も年末クリスマスカードや年賀状を書きながら下手な字がますます下手になったと感じていました。さらに、ちょっと書いただけで手がすぐに凝ったように疲れてしまうのです。

つまり、字を書くための手の筋肉が退化してしまったということなのでしょう。そう言えば、幼稚園の先生が以前「小さい子は、まだ字を書くための手の筋肉が十分に発達していないから、まず線や○を書いたり、お絵かきを通して鉛筆を持って字が書けるための筋肉を育ててあげましょう。」と言っていたのを思い出しました。

やっぱり、使わない筋肉というのは、どんどん退化してしまうんだと思います。それでアメリカ人の字の汚さに話を戻すと、アメリカ人の場合、コンピューターが生まれる以前から、基本的に書類や学校への提出物などは、タイプで打つことが一般的でした。だから、やっぱり字を書くための筋肉が発達せず、手がどんどん不器用になってしまったのではないでしょうか?

以前、学校で折り紙を教えて欲しいと請われ、他のアメリカ人のお母さん方にデモンストレーションをして折ってもらったのですが、ヘルパーで入っているはずのお母さんなのに、とってもヘルプにならない位、不器用でショックを受けたことがあります。きっちり合わせて折るということができない人が多かったのです。携帯やパソコンが当たり前になった日本でも、これからどんどん字の下手な人が増えて行くかもしれません。

とにかく、使わない筋肉は、どこの筋肉でも退化するという当然のことを改めて悟った感じです。

ところで、今年からアメリカの大学入学に一番重要なSATの試験に手書きのエッセイが導入され、判読不可能な字だった場合、どこまで努力して読んでもらえるのかわからないために、高校生たちはSATの勉強以前に、字を練習しなければならないと戦々恐々としているそうです。

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