2005年3月アーカイブ

アメリカ人は字が汚い人が多いです。汚いを通り越して、どうにも判読不明の場合も結構あります。特に字が汚くて有名な職業はお医者さんです。処方箋をもらっても、まるで茹で過ぎたスパゲティーのように、のたくっていて、私には何が書いてあるのかまったくわからないことがあります。それでも薬剤師の人は、そういう字に慣れているのか、ちゃんと間違わずに薬を出しているわけで驚きます。

先日、新聞の一こま漫画でも、お医者さんがスキーをしていて林に突っ込み負傷してHELPと雪に書いて救助を待つのですが、誰も判読できずに救助隊が助けに来てくれない、というのがありました。

日本人の場合、どんなに字が汚い人でも判読不可能なまでヒドイというのは、なかなかないと思うので、なぜアメリカ人の字がここまで汚いのか、いつも不思議に思っていました。夫の祖母の話だと、昔はきちんとアメリカの学校にもPenmanship=「書き方」のクラスがあったので、今のように汚い字を書く人は、いなかったそうです。なるほどと思いましたが、今、子供たちの学校では、書き方のクラスがきちんとあるので、学校教育のせいばかりではなさそうだとも思っていました。

昨日、夫が書類になにやら書き込みながら「最近、字が下手になったなー。キーボードばかりたたいていて字を書かなくなったせいかもしれないなー。」という言った一言で「これだ!」と思いました。実は私も年末クリスマスカードや年賀状を書きながら下手な字がますます下手になったと感じていました。さらに、ちょっと書いただけで手がすぐに凝ったように疲れてしまうのです。

つまり、字を書くための手の筋肉が退化してしまったということなのでしょう。そう言えば、幼稚園の先生が以前「小さい子は、まだ字を書くための手の筋肉が十分に発達していないから、まず線や○を書いたり、お絵かきを通して鉛筆を持って字が書けるための筋肉を育ててあげましょう。」と言っていたのを思い出しました。

やっぱり、使わない筋肉というのは、どんどん退化してしまうんだと思います。それでアメリカ人の字の汚さに話を戻すと、アメリカ人の場合、コンピューターが生まれる以前から、基本的に書類や学校への提出物などは、タイプで打つことが一般的でした。だから、やっぱり字を書くための筋肉が発達せず、手がどんどん不器用になってしまったのではないでしょうか?

以前、学校で折り紙を教えて欲しいと請われ、他のアメリカ人のお母さん方にデモンストレーションをして折ってもらったのですが、ヘルパーで入っているはずのお母さんなのに、とってもヘルプにならない位、不器用でショックを受けたことがあります。きっちり合わせて折るということができない人が多かったのです。携帯やパソコンが当たり前になった日本でも、これからどんどん字の下手な人が増えて行くかもしれません。

とにかく、使わない筋肉は、どこの筋肉でも退化するという当然のことを改めて悟った感じです。

ところで、今年からアメリカの大学入学に一番重要なSATの試験に手書きのエッセイが導入され、判読不可能な字だった場合、どこまで努力して読んでもらえるのかわからないために、高校生たちはSATの勉強以前に、字を練習しなければならないと戦々恐々としているそうです。

風邪に引き始めにAIRBORNE

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eaboon.jpgまだまだインフルエンザには気をつけないと・・・という季節ですが、風邪の引き始めにお薦めなのが、この写真の薬「AIRBORNE」その名もズバリ日本語にすると「空気感染」という、すごい商品名です。今、アメリカでは知る人ぞ知る・・・で爆発的に売れているそうです。なんでも学校の先生が、いつも子どもたちに風邪をうつされまくることに、ほとほと嫌気がさして開発したという商品です。(ひきはじめ、というより、『なんだか、ひきそう』と思った時に飲んでおくといいです。)

水に入れると入浴剤のバ○ようにシュワシュワシュワ~と溶けます。オレンジフレーバー、レモンライムフレーバーがあって、おいしいとは言えないのが難点です。私は、飲み方の説明書きも読まずに口に放り込み、お口の中でいきなりシュワシュワシュワ~となって「ゲゲゲ!!なにこで~~」と叫んだら、息子に「えーママ、直接口に入れちゃったの?!溶かして飲むんだよ!」と大笑いされてしまいましたが、かなり気持ち悪いので、良い子の皆さんは真似しませんように(^^;;

そう言えば、その昔、お腹を壊して何日も大変でお医者さんにお尻に直接入れるという薬をいただいたことがあるんですが、そんな薬の存在自体初めてだったので、これまた説明書きも読まずに飲んでしまって大騒ぎしたことがあります。薬の大きさと形は正に「多い日用のタンポン」。こんなの飲むの~うーん、割って飲もう・・・ポキッ・・・水でゴクゴク・・・うーすごい胸焼けだし食道にひっかかってる感じ・・・何気なく薬の説明書きを読む・・・ギャ~~~お尻に入れるものだったの~~~~どうしよう!!・・・医者に電話・・・受付の人「オーマイゴッド~!!!飲んじゃったんですか???すぐドクターに代わりますから、そのまま待っててくださいね」・・・医師「オーマイゴ~~~ッド。すぐに病院に来てください。」

結局、様子を見た結果、全然大事にいたらなかったのですが、赤っ恥でした。

そうそう話を戻して、上記の薬、もしお店で売っていなかったらドラッグストアドットコムで買えます。

言葉と文化

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私の夫は日本の古武道に傾倒しています。彼の敬愛するH先生は日本に住んでいますが、なぜかお弟子さんは外国人の方がはるかに多く、全世界に何千にものお弟子さんがいます。

外国で武道をやっている人は武道の技だけでなく武道の精神に非常に惹かれており、先生と自分の上下関係をとても大切にしています。

アメリカ人というと、先輩だろうが教師だろうが、上下関係なんて関係なくふるまうという印象がありますが(もちろん上司にへつらう部下はアメリカにもいますが)、H先生のアメリカ人のお弟子さんたちを見ていると、アメリカ人でもここまで「へつらう」ことができるんだ!!!と新鮮な驚きがあります。たとえば、先生の前に出ると、皆ほとんど下僕のごとく自動的に腰を直角に曲げて頭(こうべ)をたれてしまいます。「はは~~殿さま~~~」という雰囲気で、見ていておかしくなります。

よく先生への手紙の翻訳を頼まれることがありますが、その手紙の内容たるや、まるでシェークスピアの古文か?と思うほど仰々しく、回りくどく、へりくだった美辞麗句がずらずらと並んでおり、私は頭をひねってしまうことがありますが、英語にも目上の人に対する丁寧な言い方は、いくらでもあるんだなーと感じます。(米語は、日本語のように尊敬や謙譲の言い方がなくて、誰に対しても同じ話し方、書き方と思っている人もいるかもしれませんが、きちんとした人に聞くと、必ず「違いはある!」と断言します。)

面白いのは、アメリカ人の手紙で、どんなに先生に対してへりくだった言い方をしていても、必ず家族紹介の文面になると、「私には美しい妻と、頭のいい素晴らしい息子があります。」というようにアメリカ的になります。日本語にして、日本人が読むと、なんだか恥ずかしくなる文面です。Henryおじさんの、これを英語でなんて言うの?には、たとえば日本で「これから息子がお世話になりますが、よろしくお願いします。」とか「息子が大変お世話になりました。」を英語では何て言うんでしょう?などという質問がありますが、これは、反対に英語にそのまましてしまうと違和感を与えてしまうことになるのだと思います。

いずれにしても、相手の文化を踏まえた上での適切な場での、適切な言い方を知っていることは、それが知らず知らずに与える印象を考えると、とても大切だと思います。

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