2007年12月アーカイブ

**新しい事を先入観なしで、オープンな気持ちで経験しましょう。
**日常の解り尽くした事も、通常の判断をせずに、新鮮な気持ちで再体験しましょう。

自己免疫疾患 autoimmune disorder と言う病気があります。そのリストには、150以上の病名が記してあります。日常耳にするこの種の病気には、リウマチ rheumatoid arthritis、多発性硬化症 multiple sclerosis、カワサキ病、皮膚炎 dermatitis、乾癬 psoriasis 等があります。これらの病気に共通することは、皆何らかの大きなストレスの結果発病すると言われていることです。

自己免疫疾患の原理を考えて見ましょう。先ず、バクテリアやウィルスのようなばい菌が体に進入したとしましょう。体の組織はそれを守るために、抗体を作り外部から進入したばい菌と戦います。このようにして、ばい菌による発病を防ぐわけです。そこまでは良いのですが、今度はできた抗体が、体の一部を外部の進入物として間違え、それをアタックしてしまうのです。体が作り出した、病気に対して戦うための抗体が自分の体と戦いだしてしまいます。その結果どの体の部分をアタックするかによって、いろいろな病気になってしまうのです。

これらは身体面で起こる病気ですが、それに匹敵する、心理面で起きる自己免疫障害があると言っても不思議ではありません。

私たちは人に拒絶されたり、嫌われたり、去られたりすると、精神的なショックを感じます。ショックが大きければ大きいほど、その経験を2度としないように、いくつかの防衛をするようになります。

例えば、今後拒絶をされないように、一生懸命人に尽くすようになったり、人が恐くなって、人付き合いを避けるようになったりします。そうすることによって、拒絶をされることを防げることが解りますと、それを繰り返すことになり、知らずのうちに、人間関係の中でパターンとして固定していきます。ここまでは、丁度体を守る抗体が出来たかのように、危険なことに対して、心の準備が出来ている状態としてみることが出来るでしょう。すなわち心理的抗体ができました。

次に、その心理的抗体は他の人からのアタックを常に警戒しているわけですから、ちょっとでも以前のストレスと似たような状態が起こると、実際にはストレスは存在しないにもかかわらず、防衛を始めます。つまり、人を避けたり、攻撃を始めたりするようになります。それと同時に、心も体もストレス時と同じように、反応しますから、ストレスが無いにも関わらず、心身にストレスがたまり、疲労をしていきます。他人からのアタックが無いにも関わらず、心身ともにまいってしまうのです。

心理的抗体の種類にはいろいろあります。相手のコントロールのしすぎ、謙遜のしすぎ、人に合わせすぎ、人の欠点の探しすぎ、人を疑いすぎ、そして、必要以上の完璧主義等があります。皆自分を守るためにするのですが、実際に新しい状況でそのような行動をする必要は無いときでも、一人相撲をとるかのように、一人でがんばってしまい、自分が一番ダメージを受けることになります。もちろん、そのように扱われた相手もあまり心地よくないことでしょう。