2008年08月11日

やりとりのいろいろ

towofus.gif人間関係をよくするために、コミュニケーションを改善しなければならないと、よく言われますが、いったいどのような会話がよいのでしょう。今回は、会話の種類を4つ取り上げ、そこにあるコミューニケーションの度合い、人間関係のありさまに焦点を当ててみようと思います。

先ず第一の例は、人間関係の理解が未だ初期で、相手に自分のことを伝えるというよりも、自分の欲求が先に立ち、相手を利用してしまう状態です。


A:「ねー、明日映画に行きたいんだけれど、一緒に行ってくれる。」
B:「えー、映画。そんな時間ないよ。」
A:「いいじゃないの、たまには付き合ってくれても。」
B:「だめなものはだめだ。」

存在するのは自分の世界だけで、相手のことはあまり考えてないのが解ると思います。次の例は、自分の欲求ばかりでは、人に嫌われることを認識し、人前では自分の欲求を出さないようにしている状態です。もちろんこれではよいコミューニケーションにはなりません。「B」さんの反応に注目をしてください。

A:「明日は休みだからどこかに出かけようか。」
B:「そうですね。」
A:「どこがいいかな。何かしたいことがあるかい。」
B:「いや、べつに。」
A:「映画を見に行こうか、それとも久しぶりにビーチでも行こうか。」
B:「えー。」
A:「君は、どっちがいい。」
B:「どちらでもいいです。」

この調子でいったら、「B」さんは自分の欲求もかなえられず落ち込みそうです。これではいけないので、やはり自分のことははっきり伝えるようになります。でも、それをするには結構たいへんで、人から拒絶されることを恐れながら、自分の表現をします。それにもかかわらず、自信がもてるようになることは、自己発達上、結構大きなステップであると思います。

A:「明日は暇だから、映画でも行こうか。」
B:「私はビーチに行きたいな。屋内で時間を過ごしたくないから。」
A:「この間言っていた映画随分面白いって皆言っているよ。ビーチは未だちょっと寒いんじゃーないかな。」
B:「そんなことないよ。では、ジャンケンで決めようか。」

確かにAさんBさん両方とも自分の気持ちを表現しています。相手のことを無視はしていないので、公平と思われるジャンケンでけりをつけようとしました。相手の存在を認めて、自分と同じように大切であることを客観的に掴んでいます。でも、相手を自分の中に含むことはできず、相手が葛藤やフラストの原因となっています。

最後の例は、相手と自分との葛藤を解決しようとする試みを含んでいます。自分の存在も相手の存在も肯定し、二人の意見を融合しようとしています。

A:「明日は暇だから、映画を観に行こうと考えているけれどどう思う。」
B:「それは、面白そうだね。私はビーチへも行きたいと思っているけれど、あなたはそれについてどう思う。」
A:「久しぶりにビーチはいいね。ちょっと未だ寒いだろから、上着を持っていかなければ。」
B:「じゃー、最初にビーチへ行って、散歩でもして、それから映画館に寄ったらいいかもいれない。」

これは仲が良くていいですね。相手の言ったことを頭に入れて、それを含めながら自分の考えを発展させ、発言をします。言われた相手は、また相手の意見を頭におきながら、自分の意見を発展させます。

Search


Recent Entries

  1. やりとりのいろいろ
  2. Sex, Man, and Culture---結婚後の男性の性欲
  3. 第3の自己
  4. 怒る愛
  5. 宇宙はあるのか、それともアインシュタインの想像か
  6. 自分が他の人と違うとき
  7. 自分が自分を攻撃(自己免疫疾患)
  8. 浮気の心理的原因
  9. 自己の定義に縛られて
  10. 脳からみる発達障害
  11. 親が超ださい
  12. 人にきらわれないように
  13. 未来が今を決める時
  14. そう見ればそうある現実
  15. Falling in Love
  16. 正真正銘な自分
  17. 女性化、男性化
  18. 山はやはり山
  19. 男女の相性
  20. ストレスと健康
  21. 頭の中
  22. 自分て何?
  23. ユートピアの設計 
  24. ロマンスをもう一度
  25. はじとわがままとプライドの子
  26. 心配するのをやめるにあたって
  27. この世の幻覚
  28. 相互関係
  29. 性格不一致
  30. 人に認めてもらうことの矛盾
  31. 人に認めてもらうことの矛盾
  32. 自分の存在が邪魔な時
  33. 性格判断
  34. トラフィックティケットの深い意味-第2段
  35. 見つめる自分
  36. 気が散ることの良さ
  37. 結婚相手の誤用
  38. 原因の話
  39. 自発性の開発
  40. 無意識の自叙伝
  41. 脳の衰え、発展?
  42. 本当の自分、仮の自分
  43. 心理情況
  44. 性格の防衛
  45. 性格の盲目
  46. 時計の破壊
  47. 年をとる意識
  48. 年をとる意識
  49. 秘密のメッセージ
  50. 嘘と建前と装い
  51. 無意識の分析
  52. 自己の調整
  53. 知能指数と学歴
  54. 知能指数の不思議
  55. 遊びの心理
  56. 親業と車の運転
  57. これを読んだら忘れたくなります
  58. 大人の成長
  59. セックスの心理
  60. 血液型と性格
  61. 恋愛とは
  62. 親のチャレンジ
  63. Shall We Dance?
  64. 結婚の難点
  65. 靴下のあな
  66. 食べ物の心理
  67. 不眠症
  68. 壁にあたったセラピスト: セラピーに対する長期抵抗
  69. やっぱりエクササイズ
  70. 過去は現在に属す
  71. 憎しみ
  72. ラブマップ (Love Map)
  73. 精神障害と体の病気との違い
  74. コンピューターと脳
  75. 母親の影響
  76. 日本人の恥の力
  77. 不登校: 家族セラピーの実例
  78. 心の健康
  79. 強迫行為
  80. 幸せについて
  81. 露出症
  82. セルフエスティーム
  83. 自分ってなに?
  84. 幸せについて
  85. 露出症
  86. セルフエスティーム
  87. 自分ってなに?
  88. 注意欠陥・多動障害
  89. 魅力: 結婚前と後
  90. 誘われたセラピスト
  91. 7-Year Itch
  92. 妄想の分析
  93. 感情の調整ができる子を育てる
  94. 二つの世界
  95. ある男性の秘密
  96. 心理セラピーってなぁに
  97. 叱ることの悪い結果
  98. 瞑想と心の健康
  99. Love is Blind
  100. 安定感を育てる母子関係