pwd RrbCK3VgUMkp6 rc 1172 date 2008/5/22(木)05:16 uname みみ email host 61-24-7-51.rev.home.ne.jp subject 二人目妊娠、そのわけは… size 3060 how -1 link 1 resp . tree 53 psemail res 1 すごーく個人的なことですが、上の子が10歳。 私自身は38歳で、いわゆるアラウンド40。 にもかかわらず、二人目を妊娠しました。 仕事が忙しいからと、あきらめかけていたのですが、ある出会いで背中を押された感じです。 出会いというのは、元アメリカ海兵隊員のアレン・ネルソンさんとの出会い。 ずっと前に、講談社の『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか』を泣きながら読んで以来、ずっと心に引っ掛かっている人でした。 この春、ネルソンさんと直接お会いしたときに、「二人目をつくりなさいよ」と冗談半分いわれたんですね。 ネルソンさんにとって、「子ども」は特別な存在です。 ベトナム戦争に行ったときに、ベトナム人も人間なんだと目覚めたきっかけは、一人のベトナム人の女性が、出産する場面に偶然に立ち会ってしまったからでした。 ベトコンの攻撃から逃げるために飛び込んだ防空壕のなかで、その女の人は、破水し、いきみはじめたんです。 そのときの羊水のにおいを、ネルソンさんははっきりと覚えているといいます。 とてもクリーンなにおい…。 それは、ベトナムでいつもいつもかいでいた死臭とは対極のにおいでした。 「ぼくは自分がとても醜いものに感じた。生まれてきた赤ちゃんにふれる資格がないような気がした」 こういう場合、クリーンというのは、日本語でどんなふうに訳せばいいんでしょうね? 清潔? 清らか? 清浄? ネルソンさんは、赤ちゃんを抱きとめ、その赤ちゃんを奪い取るようにして、母親は走り去っていったそうです。 夢のような出来事。 だけど、その日以来、ネルソンさんは殺人マシーンのごとく殺すことはできなくなったんです。 もう一つ、ネルソンさんにとって大事な子どもとの出会いは、アメリカの小学校で。 ベトナムから帰還したネルソンさんはPTSDのために家の中で暴れ、母親から「あなたは息子のネルソンではない」と突き放されて家を追い出されてしまいます。 ホームレスの暮らしの中、同級生だった小学校の先生が、「私のクラスでベトナムでの体験を話してほしい」と頼まれます。 小学生を前に、ネルソンさんは、自分がいかに勇敢に戦ったかを語って聞かせるんですね。 ヒーローになった気持ちで…。 話し終わって、質問の時間になったとき、ひとりの女の子が手を上げてこう聞きます。 「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」 その言葉に立ちすくんでしまうんですね。 もしも、そのことを知られたら、僕はこの子達の英雄ではなくなってしまう…。 それはとても長い時間のような気がしたと本には書いています。 そして、無理やり、のどから搾り出すように、彼は答えます。 「イエス」 言葉を口にしたとたん、涙がボロボロとあふれ出てとまらなくなったそうです。 そしたら、さっき質問した女の子が、歩み寄ってきて、ネルソンさんの手を握ってくれたのだそうです。 私は、ネルソンさんに、「あなたの人生の転機には必ず子どもがいるんですね」と聞きました。 「ザッツライト、ザッツライト、ザッツライト……ザッツライト」 いくら強調してもしたりないというように、彼はそう繰り返しました。 子どもが人に与える純粋な力。 私の一人目の子どもも、いつも私の心を支えてくれ、人間の原点に立ち返らせてくれました。 それがもう十歳。 子どもが自立するというのはどれほどさびしいことかと考えると、いまが最後のチャンスなのかなって気になってきちゃったんですね。 ほんと、感化されやすいなあと思うんですけど、いま、妊娠8週目。 生まれてくるのが楽しみで楽しみで仕方ないです。 昨年、父を亡くし、心の底に重く沈殿していた何かが、晴れていくような気持ちです。 つわりがちょっとつらいですけどね…。