pwd rRdoz1UIueX6k rc 936 date 2011/5/16(月)18:17 uname かりた email host ppp118-208-237-72.lns20.hba2.internode.on.net subject re(1):小出先生の説明による最悪のシナリオ size 2181 how -1 link resp 2980.msg tree 2980 psemail res 1 原子力関連の記事や文献を読んだ上での私の理解ですが(専門家ではないので間違っていたら 指摘してください): 今回福島で起こった水素爆発 (1)地震・津波により冷却機能が働くなったため、燃料棒を覆う被覆管が水蒸気と反応して水素を発生 (2)水素が格納容器内発生して容器内の圧力が上がったため、その圧力を下げる減圧処理としてベント を実施、その結果、水素が建物内へ (3)その水素が「格納容器内ではなく」「格納容器の外、建物の中」で爆発 これに対し、この小出さんという人が言っている最悪シナリオとは、圧力容器内(格納容器のさらに内側 にある炉心のいれもの)に冷却水がある状態で燃料が損傷して一気に水に落ちると大量の水素が発生し、 「格納容器内部で」水素爆発が起こり、格納容器自体を大規模に破壊し、中にある燃料に含まれる放射性 物質が大量に放出されることを指しています。 この方ご自身も言っているように、今回はこうした事態にはなっていません。 で、この「メルトダウン」という言葉ですが、そもそも専門用語ではなく、きちんとした定義がされてい ません。英語では「炉心にある燃料が(一部でも)溶融する=炉心溶融」と同じ程度の意味で使うメディ アもあるのに対し、日本では「炉心にある燃料が溶融して圧力容器の底にすべて落ちること」を指す言葉 として使われることが多いです。 ですから、メルトダウンという言葉自体が英語メディアで先に使われたのは、至極当然のことなのです。 またこの方のサイトを拝見すると、「地球被爆」という言葉を使ってらっしゃいますが、これはよく チェルノブイリでの事態を説明するのに使われる言葉です。チェルノブイリでは原子炉が黒鉛減速炉と いう種類で、この黒鉛による火災(黒鉛火災)で放射性物質が一気に上昇し、ジェット気流にのってしま ったために、非常に広い範囲に放射性物質がばらまかれる結果となりました。これが「地球被爆」と俗に 言われるものです。 これに対し、福島は軽水炉です。水で冷却する種類のもので、黒鉛は使われていません。ですから チェルノブイリのように放射性物質を大量にジェット気流に乗せてしまうような事態は考えにくいとされ ています。 この方のおっしゃることは、注意書きをいくつもつければそれなりに正しいのでしょうけど、それをせず に表面だけ流し読みしてしまうと、大きな誤解を招きやすいと「私は」感じます。その証拠に、このスレ を投稿された方は「一大事!」と誤解してしまわれたのですよね。 現在のような事態にある時は、一人の「(自称)専門家」の意見だけに耳を傾けるのは危険だと思います。