産後の安静の大切さ

| コメント(0) | トラックバック(0)

 何歳になってもたっぷりと体力を持ち続けたいですよね。ところで、体力とはいったいどんなものでしょう? 最も大切な体力とは、「病気にならない力」といわれていますが、一般的には持久力があるとか、瞬発力があっていつもイキイキしているとか、大きな力を出せるとか、いろいろな意味で使われています。

産後1月以内を比べて見ると、どう見ても欧米人の方が体力的に上のようです。でも、70〜80代ではどうなのでしょうね。日本人と欧米人の体力の違いを論ずるのは大変ですね。 ところで、欧米で出産した日本人は共通して、産後間もなくから出歩いている欧米の女性の姿に圧倒されている様子です。アメリカ在住のYさんら寄せられたメールをご紹介致します。

「夫はアメリカ人なので、3人ともアメリカで出産しました。…中略… 私の場合も例外にもれず、出産した翌日には退院という早さでした。…中略… わずか1日ほどの入院の間に、2時間ごとに体温、血圧を測りに来る看護婦、母乳育児を奨励するビデオを見せたり、おびただしい数のパンフレットの説明やサインなど、全く体を休める暇なんてないんですよね。こんなところに、これ以上いたくない、って毎回思いました。 …中略…  生まれて間もない赤ちゃんを連れて、買い物しているアメリカ人女性を見かけることがありますが、私には全く考えられませんね。 …中略… 1人目の時、3週間過ぎたからと、出産後はじめてスーパーに買い物に行ったとき、突然悪寒におそわれて、体がガタガタ震え出したことがありました。アメリカ人女性には,こういう出産後の異変ってないんでしょうか。」
 
産後1月以内に、新生児を抱いて買い物なんて、私にも到底考えられないことです。でも、こんな元気なアメリカの女性を見ても、やっぱり私にはアメリカ人は日本人より体力があるとはやはり思えないのです。若い内にどれだけ無理ができるかではなく、中高年になってからどれだけ自分の足でしっかり歩けるかが問題だと思うのです。

 私がロチェスターで驚いたのは、おびただしい数の車椅子の高齢者の姿でした。ロチェスターはメーヨーという巨大な病院を擁する小さな田舎町ですから、そこに全米のみならず世界各地から病人が集まってきて、ホテルに宿泊しながら外来診療と、極めて短い入院治療を受けるのですから、それは当然なのでしょう。でも、病院の各部門で働いている人達の中には、日本人では見たことがないほど、お相撲さんの小錦くらいに太っている人がいました。それなのに足はか細く、サッサと歩けない30〜40代の人をあちこちで見かけたのです。

 「こんなんでは年をとってからの車椅子生活者は、アメリカの方が日本よりに絶対に多い」と、私は確信を持ってしまったのですが、どうなんでしょう? アメリカでは国のためにベトナム戦争などで負傷し、車椅子生活者となってしまった人達に対して、車椅子で行きたいところへ行けるよう、国の責任で施設が整備されています。だから、車椅子の人がどの町でも目立つのかも知れません。それに対して、日本ではまだまだ車椅子で行きたいところに行けません。京都の四条河原町から四条大橋を渡るなんて、車椅子でなんてとても無理です。家から出られない車椅子生活者が多いから、町では目立たないのかも知れません。

 ところで、日本の腰痛人口は、44歳までは男女ともあまり変わらないのですが、45歳以後は女性がグンと多くなり、65歳以上では2倍ほどの違いになります(1993年、厚生省)。また、変形性膝関節症・変形性股関節症も、女性の方がはるかに多いのです。なぜでしょう?

 骨盤は大きな骨が3ヶ所の関節でつながって円い形となっています。前のつなぎ目が恥骨結合で、後ろのつなぎ目は2カ所あり、尾てい骨の左右のななめ上にある仙腸関節です。この3ヶ所が出産後、だれもが多少たりとも緩み開くのですが、産後きれいに修復されていない(つまり歪んでいる)女性が多いのです。私の経験では骨盤の歪んでいる割合は出産回数が多いほど増え、3回以上出産した人は、ほぼ全員に歪みがあると思います。

 長崎大学の田中宏和先生が1981年に発表された論文『骨盤輪不安定症−その臨床的・解剖学的研究−』の中に、女性特有の骨盤の変化として、「左右の恥骨が段差を残して固まっているものが多い」と書かれています。これは、出産で恥骨結合が開き、その後きれいに元通りにくっつかなかったとしか、私には考えられません。

 このような骨盤でも、若いうちは腰痛があってもあまり気にならない程度で、育児や家事に忙しくて自分の体をかまっている暇もない人が多いようです。また、産後の痛みなどがいったん良くなっても、更年期頃になるとたいてい悪化します。これは、筋肉・じん帯・軟骨・骨が弱くもろくなることにより、再度骨盤が緩んだり、いっそうひどくずれたりして、痛みやトラブルが起きるからです。40代の後半から腰痛持ちになった人の殆どは、「私の腰痛は妊娠・出産とは関係ない」と思い込んでおられるのですが、出産時の骨盤の歪みとしか考えられない人も多いのです。

 骨盤が悪いと股関節も痛むことがしばしばあります。太ももの骨の一番上を大腿骨頭と言います。これを骨盤でしっかりと受け止めているところが寛骨臼で、大腿骨頭と寛骨臼で股関節ができています。仙腸関節がきれいだと股関節も調子が良いのですが、仙腸関節に歪みがあると寛骨臼の位置も変わり、大腿骨頭とのバランスが悪くなります。カクカクしながら痛んだり、キリキリとこすれるように痛んだりします。こんな状態が長年続くと、股関節が変形してしまい、変形性股関節症と診断名が付くようになります。ひどくなると人工骨頭に置き換える手術を勧められます。でも手術すればすっかり痛まなくなるわけではないことは、皆さんよーくご存知ですよね。こうなる前に骨盤を整えておくと、自然に股関節も痛まなくなります。

 股関節の痛みよりはるかに多いのは膝の痛み です。膝が痛くて整形外科に行くと、たいてい「軟骨がすり減っている。変形性膝関節症です」と診断され、筋肉を強くする体操を勧められます。確かに太ももの筋肉が弱ると膝に衝撃が加わりやすくなりますので、膝は痛むことが多いのですが、それだけでは説明のつかない膝の痛みが良くあります。骨盤調整をするとベッドから降りた時にはもう痛みが消える人もあります。また、左右の脚の長さが違うと膝が痛むことが多いのですが、骨盤調整して長さがそろうと数日〜数ヶ月でたいてい痛まなくなります。もちろん運動も大切ですし、太りすぎも良くありません。

 腰・股関節・膝が痛いと歩くのも億劫になるし、体重も体脂肪率もグングンUP、ウエストサイズはさらにUP! ますます不健康な体型となります。(私は80歳になってもオシャレを楽しめるプロプーションでありた〜い!)それだけでなく、コレステロールや血糖値もUP! 糖尿病や脳梗塞などの生活習慣病にもなりやすくなります。骨粗鬆症も進行を早め、骨折などを機会にドーンと体力が低下し、要介護となったり、寝たきりになったりしてしまうのです。

 何歳になっても楽しく生き続けるためには、元気な体が何といっても資本です。産後は靭帯がゆるんでいるため、骨格のゆがみを整える絶好のチャンスです。骨格を整えると筋肉がコチコチになっているのが自然にほぐれ、腰・股関節・膝の痛み、肩こり頭痛などからも解放されます。姿勢も美しくなり、足腰の冷えもなくなり、体調も良くなります。

 何歳になっても介護を受けなくてもいいように、年をとる前に骨格を整えましょう。 「育児や介護ができる体作り、介護のいらない体作り」これが私のテーマです。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.sweetnet.com/mt/mt-tb.cgi/83

コメントする

最近のブログ記事