代謝・内分泌・免疫の異常

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昨年の9月から連載している「更年期障害・身体がついていかない時」ですが、これ まで、栄養や運動、骨格の歪みと内臓などの機能低下、環境ホルモンや有害化学物質 の体内蓄積による影響の方向から見てきました。

今回はこれらによる代謝・内分泌・ 免疫などの異常について考えてみましょう。これらは言葉自体が難しいので、言葉の 説明も含めて簡単に説明します。

 
《新陳代謝・代謝とは?》

 私達の身体は常に部分的に外界との物質の交換をしている動的平衡を保っていま す。私達は生きている限りエネルギーを失っているために、当然のことながらエネル ギーに富む栄養素を食物として摂取する必要があります。食物は消化・吸収されて身 体の成分となったり、エネルギー源となって蓄えられたり、生体活動のために使わ れ、その結果残った産物は排泄されます。これらのすべてを新陳代謝と言いますが、 その中で、吸収と排泄の中間にある過程、つまり栄養素が体内でどのように変化して いくかを、一般的に代謝と言います。  


《代謝の主役 酵素》

 私達の身体のあちこちの組織で、消化や代謝のために酵素が働いています。私達人 間が身体の中に酵素を持っているのと同様に、生きている動物や植物すべてが多くの 酵素を持ち、その酵素の中には必ず自分自身を消化したり分解する酵素が含まれてい ます。酵素はたんぱく質の一種ですので、50℃の熱で変性してしまい、働かなくなっ てしまいます。私達が高タンパク・高カロリーの食事を続け、しかも、加熱で酵素が 死滅した食物を食べ続けると、身体の中に持っている酵素だけでは不足しがちにな り、分解されないままの栄養素が血液の中に残ってしまい、血液をドロドロにするこ ととなります。


《内分泌とは?》

 唾液の中に含まれるでんぷん消化酵素のアミラーゼは口の中に、タンパク消化酵素 のペプシンは胃の中に向かって分泌されます。消化酵素のように口〜胃〜腸〜肛門の ように外界とつながっている表面に分泌することや、汗のように体表に分泌すること を外分泌と言います。それに対して、内分泌とは内分泌腺と呼ばれる組織から、血管 の中に分泌されるホルモンの分泌のことを言います。ホルモンは脳にある下垂体や、 卵巣・睾丸・副腎・甲状腺・膵臓などから分泌され、お互いに影響しあっています。 いま、環境ホルモン(外因性内分泌かく乱物質)が体内に蓄積されていることによ り、卵巣や睾丸のみならず、それらを刺激するホルモンを分泌する下垂体や、脳や性 腺と大きくかかわりを持って働く甲状腺への影響も指摘する報告もあります。


《ミネラル不足で酵素やホルモン不足》

 ヒトの体内には現在数十種類の酵素が見つかっていますが、その1/3はミネラル (金属)を含むものですが、酵素の原料となるミネラルが不足していることも、酵素 不足の原因となっています。古来より日本の土壌は堆肥などの有機肥料で良く肥えて いて、そこに育った野菜にはミネラルはたっぷりと含まれていたのですが、窒素・リ ン酸・カリを主成分とする化学肥料で大量生産された野菜には、その他のミネラルは ほんの少しか含まれていません。でも、海草には多くの種類のミネラルが含まれてい ますので、しっかり食べましょう。  ホルモンも酵素同様、たんぱく質の一種であり、ミネラルを含むものがあります。 有名なのはインスリンで、亜鉛が不足するとインスリンも不足することとなり、糖尿 病の原因となります。このようにミネラル不足は内分泌も代謝も狂わせることになる のです。  


《ビタミンの働き》
 ビタミンは極微量で細胞の新陳代謝を円滑に調整し、潤滑油的な役目を果たし、私 達の身体の成長を促したり、生理機能をコントロールする非常に大切な物質です。で すから、ビタミンが不足すると細胞がイキイキと働けなくなるのです。ところが、 スーパーで普通に売られている野菜の多くは、野菜工場のようなビニールハウスの中 で栽培されています。紫外線をほとんど浴びずに育った野菜にはビタミンは少なく、 それらを食べていても必要なだけのビタミンは摂れません。  


《妊娠を望むなら葉酸摂取を!》

 厚生省は12月28日、ビタミンBの一種である葉酸を、妊娠可能な年齢の女性に、栄 養補助食品などで摂取するよう提言した通知を、都道府県や全国の医療関係団体に送 付しました。従来日本では神経管閉鎖障害(二分脊椎・髄膜瘤・水頭症)の発症率は 欧米に比べて低かったのですが、近年増加傾向にあることと、葉酸は神経管閉鎖障害 の子を出産する危険性を減らすことが欧米で報告されてためとのことです。これまで 厚生省は「安易に栄養補助食品に頼るべきではない」との見解をとっていたのです が、積極的な活用を提言するのは今回が初めてであり、大きな方向転換と言えると思 います。日本人が食べている野菜には、ビタミンが少ないことをようやく厚生省が認 めたとも言えます。  


《酵素やビタミンたっぷりの食事を》

 葉酸はさておき、現代の日本でもまだまだ酵素やビタミンの多い食事をすることは 可能です。納豆・ぬか漬・キムチ・ヨークグルト・塩辛・なれずし・へしこなどの発 酵食品は酵素も栄養もたっぷりで消化吸収が良く、食欲も増進させます。また、魚の さしみ・大根おろし・生野菜・果物のような生の食品も積極的に食べましょう。とこ ろが、私の大好きな魚もPCBをはじめ多くの化学物質で汚染されており、悲しいか ぎりです。妊娠可能な女性は特に、魚の内臓やチリメンジャコのように丸ごと魚を食 べるのは避けるほうが賢明と思います。  ビタミンの少ない野菜すら満足に食べず、環境ホルモンや限りなく有害に近い化学 物質が含まれた食生活、つまり、インスタントラーメン・レトルト食品・コンビニ弁 当を食べ続けていて、健康になれるはずがないし、ましてや、妊娠を希望し元気な子 を得たいと思うなら、まず栄養面からも身体を整えることが大切ですね!


《免疫とは?》 

 免疫とは身体が細菌・ウィルス・毒素などの病原体に対して感受性を持たないか、 感受性が鈍い状態を言い、病原体をやっつけてしまう力を免疫力といいます。体力と いうと筋力や持久力を思い浮かべる人が多いと思いますが、人間にとって最も大切な 体力とは免疫力だと言えます。免疫グロブリンや白血球がその主力ですが、白血球や 粘膜の細胞などをはじめとして、全身の細胞が活発に戦闘体勢に入れることが、病気 にかからず、かかっても早く元気になるための条件となるのです。そのためにはビタ ミン・ミネラルなどの微量栄養素の摂取や、たっぷりの睡眠、規則的な生活リズム、 うがいや手洗いなどが大切です。


《病気にならない身体を作るには?》

 以上のようなこれらの日常的な努力をせず、熱が出たらすぐに解熱鎮痛剤を飲むの では、強い免疫力を持つ身体は作れません。病原体は熱に弱いために、熱が出ること は病原体をやっつけるための生体防衛反応なのです。インフルエンザで多くの子ども やお年寄りが亡くなっているのは、国際的に見ても日本特有の現象であるのは、こう した解熱鎮痛剤の乱用が指摘されています。  もちろん病原体に対して強いだけでなく、痛みや凝りがおきないきれいな骨格と、 丈夫な内臓を持って、したいことができる身体作りをして、心もイキイキと生きるこ とが大切ですね。今回は難しかったですね。次回はこのシリーズの最後、「身体の不 調と人間関係・社会生活におけるストレスがもたらす、心の不健康」です。

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