環境ホルモンや有害化学物質の体内蓄積による影響

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前回は、骨盤や背骨の歪みがあり、内臓などの機能低下や自律神経失調も伴っている人の中には、「30代半ばにしてもう更年期?」と悩んでいる女性が多いことをお話しました。ところが、このような体調不良は30代の産後の女性に限らず、私のサロンを訪れる独身の20代の女性からも、同じような悩みの相談を受けることが多いのです。彼女たちの多くが、「生理痛がひどい。腰痛も生理中は立っていられないくらい」、「生理の前日くらいから浮腫んで足首が曲がりにくく、頭痛もひどくて薬も効かない」、「生理不順で1月に2〜3回もある」、「20歳のときからもう7年も生理がない」と訴えるのです。その程度のひどさに私も驚くばかり! 彼女たちを診て、「これだけ骨盤も背骨も歪んでいたら、しゃぁないなぁ」と思っていたら、何と「私の事務室には20代の女の子が7人いるけど、生理が順調なのは一人もいない」と聞くこともしばしば。

 これは一体何故かと考えると、やはり、子宮内膜症の増加、乳癌や子宮癌の増加と低年齢化、などと無関係ではないように思えます。これらの理由としてマスコミでも取り上げられているように、「環境ホルモン」や有害化学物質の体内蓄積の影響が大きいのではとしか、私には考えられません。「環境ホルモン」とはエストロゲン類似化学物質とも言われ、それらの多くは体内に入ると女性ホルモンのようにふるまい、生殖系・免疫系・神経系などに影響を与えると言われています。ごく微量でも、妊娠中に取りこむと、時期によっては胎児に取り返しのつかない影響を与えることが心配されています。

 そこでまず、女性ホルモンについて知識の確認をしましょう。女性ホルモンの代表はエストロゲン(以下Eと略)は女性の第二次性徴を引き起こす働きを持ちます。ですから、男か女か分からないようなオテンバが、年頃になると胸やお尻がふっくらして、頬もふっらとみずみずしくなるのはEの働きなのです。また、Eは子宮内膜を増殖させ子宮に血液を集める働きをします。これはEの素晴らしい働きです。でも、Eだけでは妊娠しません。子宮内膜に受精卵がもぐり込める(着床)ためにはプロゲステロン(以下Pと略)が不可欠であり、EとPの両者がバランス良く保たれてこそ、女性は子どもを産むことができ、かつ健康に生きられるのです。

 近年、このEとPの両者がバランスが著しく乱れ、Eが圧倒的優位になっている女性が多いことが報告されています。それは、「環境ホルモン」が体外から入り込んでEと良く似た働きをすることにより、Pが相対的に弱くなっていることが考えられます。これらのことは『医者も知らないホルモンバランス』 (ジョン R リー著 中央アート出版社)に詳しく書かれていますので、関心のある方はぜひお読みください。これに書かれているEとPの働きの主なものをあげます。


 エストロゲン           プロゲステロン
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乳癌のリスクを高める      防ぐ
体脂肪・塩分・水を貯留     脂肪を燃焼、利尿剤として働く
血栓ができやすくなる      血栓を防ぐ
破骨細胞働きを少し押さえる  増骨作用を促進
ふさぎ・頭痛を起こす       自然な抗うつ剤として働く


 要するに、女性が癌・高コレステロール血症・高血圧・肥満・動脈硬化・脳血管障害・心筋梗塞・骨粗鬆症・子宮内膜症・月経前緊張症・鬱病・自己免疫疾患かからないように、健康に生きるために、Pはとても大切な働きをしているということなのです。

 ところで、最近コマーシャルで「ザクロはエストロゲン。女性の健康と美容にザクロを」と良く聞きますね。果たしてそうでしょうか? 植物には天然のEやPを含むものがあります。Eを含む代表格がザクロやダイズです。そのため、世界各地で何百年(何千年?)も前から、ザクロの効用を人々は生活の中で知り活用してきました。例えば、エジプトとか中近東の国々では、望まない妊娠をした場合、7日間5個のザクロと水だけを飲むことにより、流産させる方法が伝承されているそうです。日本でも「臨月に食べると安産になる」と言い伝えられていると聞いたことがあります。そのためか、日本画ではザクロは安産の象徴として描かれています。

 しかし、EとPのバランスがE優位になっている現代女性に、ザクロで追い討ちをかけることは、先に述べた病気のリスクをさらに高めることになるのではと私は懸念しています。でも、分析結果では販売されているザクロジュースなどに全くエストロゲンは含まれていないとか?

 また、15年程前から日本でのみ産科医療の中で、出産時に子宮頚管を柔らかくするという理由で「マイリス」という注射薬がよく使われています。例えば、妊娠37週に入っても子宮の頚管や口が固く、予定日を過ぎても生まれそうになく、出産に長時間を要しそうな場合などに使用されています。この薬は合成のエストロゲンで強力な作用を持っていますが、残念ながら医学界からも「環境ホルモン」という視点で安全性を問いなおそうという動きはあまり見られません。

 その他、台所洗剤・ハミガキ・シャンプーなどに使われている界面活性剤、ダイオキシン、農薬、化粧品などに使われている様々な化学物質、食器からしみ出る化学物質にも、ホルモン撹乱作用があることが報道されています。妊娠して風邪薬を飲んだことを心配する人は多くても、これらの「限りなく黒に近い灰色」の化学物質を、平気で毎日使っている人が多いのではないでしょうか?

 口から飲食された化学物質は、腸から吸収されても門脈を通って肝臓に行き、そこで大部分が解毒されてから全身に回ります。しかし、皮膚や粘膜から吸収された化学物質は、肝臓で解毒されることなく全てが全身に回ります。妊婦さんだと臍帯を経由し胎児にまで移行します。大人は脳に有害物質が行かないよう血液脳関門が閉じていますが、胎児〜生後半年は開いていて、脳にまで達すると指摘されています。幼児の頃に多動傾向だった子どもが、17歳頃になって「キレル」ようになるのは、このためという説もあります。オソロシイことです。ですから、今後出産する可能性が全くない私ですが、化粧もパーマも毛染めもしないで毎日働いています。

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