出産直後の安静と血栓症

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日本では出産後、分娩室からお部屋に帰るのは、施設や個人の状態にもよりますが、たいていは分娩修了後(胎盤が出た後)2時間程度です。その時、ストレッチャー(キャスター付きのベッド)で寝て帰るか、車椅子に座って帰るか、歩いて帰るか、いずれかです。

20年程前までは産後はストレッチャーで寝たまま帰り、半日ほどベッド上で安静にし、その間のオシッコはベッドの上で便器を当ててする施設が多かったようです。しかし「あまり長く寝ていると子宮の収縮が悪くなる」と、早期歩行開始が叫ばれ、年々早くから歩くようになってきて、近年は分娩後2時間で歩いて帰る施設が増えているようです。


このような早期歩行開始には、メリットとデメリットがあります。メリットは、�@子宮収縮が促進される。�A血栓症を起こしにくい。

デメリットは、�@疲れや貧血の強い人は歩けなかったり、倒れたりすることがある。�Aゆるんだ骨盤がいっそうゆるみ、腰痛や恥骨の痛みを悪化させる。などがあげられます。

産後の子宮収縮が悪いと出血が多かったり、炎症を起こしたりして、子宮復古不全や子宮内膜炎などを起こしがちになり、入院日数が長くなることがあります。

それよりもっと困るのが血栓症です。血栓症とは血管の中で血液が固まることです。下肢などの静脈の中に血液の塊ができると、その塊がはがれて心臓に運び込まれ、心臓から送り出されて肺の動脈に詰まると、肺血栓症となります。すると、肺の組織は酸素不足で働かなくなります。これを肺梗塞(はいこうそく)と言い、急激な呼吸困難に陥り、最悪の場合、命を落とすことがあります。

そんなわけで出産を取り扱う医師・助産師にとって、産後の肺血栓症は最もコワ〜イ病気なのです。でも、幸い日本人には少ない病気でした。ところが、ここ10年間でジワジワと増えてきているとのこと。原因は食生活の欧米化が最も考えられるのですが、産後の長時間の安静も血栓症を増やすと言われています。

帝王切開後は歩行開始が遅れますので、特に血栓症を起こしやすく、中でも肥満産婦の場合、頻度が上がります。太った人は血液がドロドロで固まりやすい人が多いからです。そのため、肥満産婦の帝王切開後に抗凝固剤を与えることが、欧米ではもちろんのこと、日本でも既にかなり一般化してきています。

血栓症予防のためには早期歩行が良いのですが、そのためにひどい腰や恥骨の痛みで歩けなくなっては、よけい血栓症になりやすくなりますね。では、どうしたらよいのでしょう? それは簡単、骨盤をしっかりと固定して歩けば良いのです。産前・産後ともに使える骨盤支持ベルト「トコちゃん」なら、静脈の流れを阻害することも無く、歩く時も寝る時も授乳する時も、いつでも着用できます。

せっかく産んだ赤ちゃんを、「可愛い〜っ」と思えなかったり、虐待とまではいかなくてもついイライラして、手を上げてしまうママが増えていると報道されていますね。自分の腰などが痛かったら、なかなか赤ちゃんを可愛がる余裕は生まれませんよね。さあ貴女も、トコトコちゃんと歩いて、育児をたっぷりと楽しんでくださいね。

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