2010年10月アーカイブ

ひきこもって解決

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今年の1月にひきこもりについて書きました。そのときは、ひきこもりを治すために、「波長の合った接し方」と言うのが、有効であると述べました。今回はひきこもりの原因となる心の動きをもう少し追求すると同時に、ひきこもりがその人にとって、どのように心の問題を助けているかを考えてみたいとおもいます。

前置き:赤ちゃんは1歳を越しますと、運動能力が増え、それに伴って母親からの心理的分離が起こりだします。これは、母親と自分は別の人で、別々に存在し、体も心も離れることが可能であると理解することです。この分離は少しずつ起こり、3歳位までかかって確立をします。子供の中には、その分離が困難で、母親から離れはしたものの、それがいつまでもトラウマとなってしまったり、そのために離れていることをいつまでも否定したりします。急速な分離や子離れが困難な母親などが理由となって、分離困難が起こったりします。

アレスト:分離が困難であると、それを解決するまで、その発達過程をいつまでもうろうろする傾向があります。大人になってからも、人との別れが大変な人は少なくありません。人と別れるたびに、母親から離れた時の、トラウマ的感情を思い出したかのように、ショックを受けます。

ひきこもりの心理:分離のトラウマがある人は、仲良くできそうな人と出会うと、親近感を普通異常に早くそして強く感じます。昔あった母親との融合感を再現したいからです。それと同時に、もし親近感を覚えたら、その後また分離があるのではないか、別れなければならないのではないかと不安にもなります。結果として、人に近づこうとする吸引力と別れを恐れる反発力の葛藤の中に置かれてしまいます。不思議なことに、本人は気が付いていないかも知れませんが、人間関係内では、親近感と不安を同時に、行動、態度、言葉などを通して表現してしまいます。

親近感を表現した結果、他の人が近づこうとしますが、それと同時に、本人は大変不安を感じるようになります。本人の主観としては、人間関係が発生する場面に遭遇するごとに、不安が起こり、それを繰り返すことによって、人間関係の難しさと危険性を感じるようになります。たまたま、身近に友達などできると、大変不安に感じて、それを避けるようになり、失敗感も手伝って、ますます他の人から離れるようになります。

人から離れた状態、すなわちひきこもりの状態に入ると、不安は直接感じなくなりますが、それは外の世界に投影され、家の外自体が不安な世界に変化していきます。よって、外出自体が困難になってきます。

この外の世界から離れた状態、他の人から離れた状態は、元をたどると、母親からの分離の状態を表しているわけですが、不思議に人間関係の状態に戻れないと言うところが、最初の分離の激しさを物語っていて、トラウマである証拠にもなるわけです。

それでは、本人の心に潜んでいる、融合を求める気持ちはどこへ行ってしまったのでしょう。それは主に空想の中で満たされていきます。自分の心の中には、テレビドラマ、ラジオ、インターネットや読書などから刺激され、作り上げられた空想の人物が住み着きます。そういった人物は、自分に不安をかきたてないので、自由にやり取りができ、ある種の親近感を得ることができるようになります。

ひきこもりとは、外界との接触から起きる不安を取り除き、内の世界の人物と融合を可能にする、合理的な解決法であったのです。

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