恋愛についてもう一度

renai.gif他の科学と同じく心理学も発展を遂げて、今までよく理解できなかった事柄について新しい見方ができるようになります。恋愛については過去にも何回か触れましたが、事柄自体が簡単そうであり、でもよく見ると、非常に複雑なものでもあります。「どうして恋愛をするんでしょう」というような質問は、哲学的な答えしかなさそうですし、どうしてそんな質問をするかということじたい、問題になりそうです。

今回、恋愛について付け加えたいことは、なぜ恋愛中に自尊心が上がるのか、という問題です。経験からお解りと思いますが、恋におちいると相手がすばらしい人として見えるだけでなく、その人とつながっていることによって、自分が最高に感じる事があります。それがどのようにして起こるのか考えてみようと思います。

人は大人になっても結構主観的な見方から離れなれないもので、他の人を自分と同じと見る傾向があります。例えば自分がある映画が好きだとすれば、他の人も自分と同じように楽しめるのではないかと思います。自分があることを気にしていれば、相手も同じことを気にしていると考えがちです。このようなプロセスを投影といいます。人は自分の何かを投影することによって、相手と一緒になります。つまり同一化します。

異性の理想のあり方と言うものについて意識したことはあるでしょうか。顔や姿、動き方、態度、性格、話し方などの自分にとってアピールするものは意識できるかもしれません。面白いことに異性の人がアピールするものを持っていて、その一つ見出すと、続けて自分のリストの他の部分も見つけ出せるときがあります。すなわち、一つをきっかけに他の特徴を投影しだすのです。相手にそれがあるかどうかは、解りません。でも、投影が始まると、自分の見たいものを相手に発見できるのです。というか、勝手にあると信じこみます。自分の理想を投影しましたから、相手が理想に見えてきます。この状態を恋に陥ると言ってよいでしょう。

相手が立派に見えて、輝いて見えて、最高に見えます。しかしながら、その要素は自分の所から出ていて、それが投影されたものですから、居心地がよいことは間違いありません。今度は、自分が相手の理想の部分と同一化します。その理想はもともと自分にあったものですから、それを自分と同じと思うのは難しいことではありません。そしてそれが次のステップと発展していきます。

投入と言って、相手のある特徴を自分の物にしてしまうプロセスです。恋する相手と同一化した後、その理想の内容を自分の物にしていきます。相手のすばらしい部分が自分の物になってしまうのです。その結果自分も素晴らしい人になります。結果として自尊心が上がるということになります。つまり、このプロセスをたどって見ますと、自分の理想が相手に投影され、それと自分が同一化し、そして今度はその理想を投入します。自分の物が相手に行って、また戻ってきました。不思議な話です。

このような面倒なプロセスを通して、何かよいことでもあるのでしょうか。実は、これは、赤ちゃんがお母さんに自分の気持ちを投影し、今度はそれを投入するのですが、ついでに、お母さんの何かをも含めて投入し自分の物にするのと同じなのです。そうすることによって、子供が母親の何かを吸収し学んで自分の物にしていきます。

恋する人の何かをも自分のものにしながら、自分がちょっと大きくなったという感じでしょうか。

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