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最悪の事態から生還する方法

以下はTIME誌に出ていた記事をまとめたものです。
 ("How to Get Out Alive" by Amanda Ripley, TIME Magazine, Monday, Apr. 25, 2005)

天災、人災による大災害が後を絶たない今日この頃、是非とも心に留めておきたいレポートだと思いました。

運悪く不意の災害に見舞われた時、人の取る行動は三つのカテゴリーに分かれる。落ち着いて行動できる人は10〜15%、我を失って泣き叫ぶ人は15%以下、残りの大多数は、ショック状態に陥り呆然として何もできない状態になってしまう。(Aviation,Space, and Environmental Medicine誌で発表されたイギリスの心理学者ジョン・リーチの研究による)

National Institute of Standards and Technology (NIST)が9/11の生存者900人に行ったインタビューの結果 から、飛行機衝突の衝撃後から避難を始めるまで平均6分かかっていたことがわかった。人によっては30分 も避難せずにいたのはなぜか?およそ1000人の人がコンピューターを消したり、身の回りのものを集めたり 、知り合いに電話をしたりしていて逃げ遅れた。また、このような時こそ迅速に階段を駆け下りているはず なのに、ビルの外に出ることのできた約15,410人が、階段を一階分下りるのに1分もかかっていた。避難路を 研究するエンジニアの予測の2倍かかっていたことになる。

事実、ビルの73階から生還したエリア・ゼデノさんは、「不思議なことに全然焦る気持ちが起こらなかった 。ビルの揺れ方、音響からして、本当は焦りまくっていいはずなのに、まるで意図的に自分の心が音をシャ ットアウトしてしまったようだった。」と述べている。また、飛行機衝突の衝撃でビルが激しく南側に傾い てさえいたのに、すぐに避難しよういう本能的な衝動は起こらず、周りの人間も皆、今起こっていることが 信じられないというような様子で避難行動を起こさなかったという。彼女の場合ラッキーだったのは、「何 が起こったの?」と尋ねる彼女に、一人の同僚が「ビルから出ろ!」という叫び声が戻ってきたことだった 。彼女は、ただその命令に従って避難を開始したのであって、あの時、その声が聞こえなかったら、自分で も今頃どうなっていたかわからないと語っている。


人の脳は一つの複雑な情報を処理するのに8〜10秒かかるが、一度にあまりにたくさんの情報の洪水に遭った 場合、本来なら脳の処理スピードを高めようとしてもいいはずなのに、あたかも車が低速ギアに切りかえた 時のような状態になってしまう。それはなぜか?

食肉獣の餌食になろうしている動物は、無意識のうちに体が麻痺してしまう。そうすると食肉獣は、獲物が病気だと思って、リスクを避けるために放してしまうことがあるという。同様の行動がレイプの犠牲者にも あるという調査がある。つまり本能的な行動が緊急時の生存を却って脅かしてしまっていたのである。

1997年、離陸を待つパンナム機にオランダのKLM機が衝突、大炎上。KLM機の乗客583人は全員即死、パンナム 機396人の乗客のうち326人が死亡し航空史上最悪の大惨事となった。後の調査によると、KLM機が衝突した後 も多くの生存者がおりパンナム機が火炎に飲み込まれるまでの間に少なくとも60秒の猶予があったというの である。ところが、多くの人はショック状態で呆然となり、ただ座ったまま火に飲まれてしまった。生存者 の一人であるフロイさんは、「(衝突の後)私の心は空白になり、何が起こっているのかさえ聞こえなかった。」と語っている。夫ポールさんの逃げろという言葉に引きづられるように煙の中を夫の後に続いたという。飛行機から飛び降りる直前に後ろを振り返ると友人が、ただ呆然と座っている姿が目に入ったという。

非常時によって、人が三つのカテゴリーの、どちらに入るかは

、非常時でない普段のその人の行動からは予測できないという。それでは、本能を打ち消して冷静な行動を取れるようにするには、どうしたらいいのか?それは、普段から非常時のための心の地図を描いておくことである。

ちなみに、パンナム生存者の上記のポール氏は、こどもの頃、映画館で火事に遭った経験があり、それ以来 、必ず不慣れな場所では避難路、避難口を確認していた。事故の当日も、離陸を待つ間、最寄の避難口をチェックして妻にも教えていたという。またTower1の49階から衝撃直後に避難を始め助かったマヌエルさんは、前年に自宅が火事になり、子どもの頃はペルーで大地震に遭遇、その後もロスで数回地震に遭った経験があった。

 

災害時の電話について

大震災が起きたとき、離れ離れになっている家族の安否がいちばん心配だと思います。電話を使って家族と連絡を取りたいとき、次のことに気をつけましょう。

● 家の電話は、なかなかつながらない。

大地震などの緊急事態時には、警察や消防署、公共機関などの電話を最優先で確保することが法律で定められています。このため、家の電話や携帯電話は、規制がかかり、ほとんどつながらなくなります。

● 携帯電話のメールはつながりやすい
 携帯電話のメールは、比較的短い時間でやりとりするため、つながりやすいです。

● 公衆電話

 公衆電話は、緊急用の規制がかからないので、比較的、つながりやすいです。
  ※ 緑と灰色の電話のみです。(ピンク電話はだめ。110番や119番にもかかりません)
  ※ 停電のときは、テレフォンカードは使えません。

● 災害用伝言ダイヤル(平成10年度からサービス開始)

大震災のときに、公衆電話から、災害用伝言ダイヤルを使って、自宅の電話番号に電話をかけると、自動的に緊急用の自宅専用の留守録につながります。

★ 利用できる電話

1) 公衆電話
2) 携帯電話(ほとんどかからない)
3) 自宅や会社などの電話(ほとんどかからない)

★利用方法

メッセージを残す場合
0) お金(10円)またはテレカを入れる。(テレかは、停電時は使用不能)
1) 171にかける。
2) メッセージが流れるので、1を押す。
3) 自宅の電話番号を押す。

例: 自宅の電話番号が(03)111−2222の場合。
   171−1−(03)111−2222
4) メッセージを入れる。録音時間は30秒なので、電話をかける前に
 話す内容をまとめておく。

メッセージを聞く場合

0) お金(10円)またはテレカを入れる。(テレかは、停電時は使用不能)
1) 171にかける。
2) メッセージが流れるので、2を押す。
3) 自宅の電話番号を押す。
4) もしも誰かがメッセージを残していれば、聞くことができます。

★ 利用可能なとき

1) 震度6以上の地震発生時
2) 地震・噴火等の発生により被災地に向けた電話が込み合ってかかりにくい時
  ※ 提供開始や録音件数等、提供条件については、NTTが決定し、テレビ・ラジオ等で知らされます。

★ 伝言の蓄積数、伝言録音時間

1) 1電話番号あたりの伝言蓄積数は、10伝言まで(もっと少なくなる場合もあり)
2) 1伝言は30秒以内
★ 伝言の保存期間
2日間(48時間)。48時間を過ぎると、自動的に消えてしまいます。

● 被災地から外へはかかりやすい

 被災地から県外へは、比較的、電話がかかりやすいようです。普段から、緊急時の連絡の取り方を親戚同士で決めておき、いざというときは、一箇所の親戚を中心に連絡をやりとりすれば、全員の親戚に連絡必要もなくなるし、県外の親戚が、いっせいに被災地に電話をかける必要もなくなります。

● お願い
 被災時は、重要な電話以外は可能な限り電話を使わないようにしてください。また、電話がかからないからと、続けて何度も電話すると、ますます電話がかかりにくくなります。

● 普段から、災害用伝言電話が使える公衆電話の場所を確認しておくとよいでしょう。(通勤時や、旅行時)
 

防災用品リスト

第二のテロ、いつ、どこで、どのような形で起きるのか?不安は尽きません。取りあえず、水を買いに走られたという人が非常に多いですが、その他、どんなものを備えておけばいいのか?きっと役に立たないことを願いつつも、備えあれば憂いなしで、少しでも不安を軽減するためにも、こんなリストを作ってみました。

台湾震災に遭った外野席さん、神戸の正田 佐与さん(神戸に住む方が多く参加しているMLでお願いしてみたところ、貴重なご意見をいただきました。)「男の趣肴」のWebマスターさん貴重な情報を御提供いただきありがとうございました。

 

外野席さん情報

キャンドル、マッチ、ウェットティッシュ、紙皿&紙コップ、プラスティックのフォークやスプーン、携帯コンロ。
水の要らないシャンプーやボディーソープ、リステリン、水(飲み水とトイレを流す用)などなど。

正田 佐与さん

ここでは、家屋が住める状態でライフライン切断になった場合を前提といたします。例外はあるかもしれませんが、私の住んでいた地域では、電気、水道、ガスの順に復旧しました。

電気が止まった場合

  • ろうそく

  • 懐中電灯またはキャンプ用のランタンとそのサイズの電池を多めに

  • ランタンには電池のもの、ガスのものとありますね。

  • ガスの場合は、カセットコンロと同じ規格のガスボンベが使えるものが便利だと思います。ただ、ガス漏れなどで火を使えない場合もあることを考えると、電池がよいのでしょうか。

  • ラジオ(うちでは電池のものがなくカーラジオになりました)

  • 携帯電話。

    余談ですが日本では災害時の連絡は公衆電話が一番つながりやすいです。米国ではいかがでしょうか。インターネット接続も、停電状態でもできるようにしておけるといいですね。

  • 調理設備が電気の場合、カセットコンロとカセットボンベ。

  • 電気が止まった場合、マンション等ビルでは屋上タンクまでの水の吸い上げができなくなり、タンクが空になり次第水の供給も止まります。震災の時は、みなさん真っ先にお風呂に水をためたそうです。


水が止まっている場合。子持ちにはつらい状態ですね。

  • ふだんから浴槽に水をためておく習慣をつける。

  • ミネラルウォーター。

  • 紙おむつ。

  • ベビーフード、その他の保存食品。

  • 洗濯が不便になるのに備えて、お子さんの衣類、とくに肌着などを多めに。

  • ポリタンク、バケツ。タンクを運ぶ台車。
    (うちでは、20L入りタンク4つで外から水を運び入れ、浴槽にためておき、トイレに利用しました)台車は、万一屋外退避のときにも必要かもしれませんね。

  • 入浴できない時のための、清拭剤やドライシャンプー。

  • 拭き掃除がしにくくなるので、ウェットティッシュ、ティッシュ、トイレットペーパー。

  • 食器洗いができない時のために、紙皿、紙コップ、割り箸(使い捨てフォーク)。ラップを皿に引いて使うという人もいました。

ガスが止まっている場合、

  • 重複しますがカセットコンロ、カセットボンベ。
    カセットボンベの廃棄のときの穴あけは大事で、専用の穴あけ器もありますが、穴をあける作業はくれぐれも屋外で行いましょう。あわてて料理している横で穴をあけて引火して大やけどした人もいます

  • お風呂を電気でわかす道具もあります。(商品名不明)
    大工さんが屋外でバケツの水を温めたりするのに使うものだそうで、リングになった太い鉄棒から発熱します。朝から2本浴槽に入れて通電しておくと、夜には入れる温度になっていました。電気代には目をつぶりました。熱帯魚用のヒーターを使われた方もいたようです。

    ライフライン関連で思い出せるのはこのくらいです。このほか、

  • とっさに家から退避する場合に備え、家族全員分の数日分の着替え、貴重品、洗面道具、救急箱等をすぐ
    持ち出せるようにまとめて玄関近くにおいた。当時は持っていませんでしたが寝袋も人数分あるといいでしょうね

  • 家の中がガラスや陶器の破片でぐちゃぐちゃになり、歩きかけの子がけがをしないために、片付くまで子どもをおんぶしていたためおんぶひもが重宝した

  • 病院に頼れないときに備え、常備薬を切らさないよう点検

 

いちごころんさん

遅ればせながら拝読しました。神戸の震災を経験した叔父から聞いた事です。情報につけたしていただいてよろしいですか?

  • ベットや布団の横に必ず非常持ち出し袋と靴を置いておく。(底の厚いもの) 散乱したガラスで足を怪我すると避難できません。また、車に閉じ込められた時用に売っている脱出用のミニハンマー。脱出用ロープ。開かない窓を割ったり、障害物を取り除く為
     

  • 就寝時に子供部屋等のドアは閉め切らない。地震で家が歪むと、ドアがあけられなくなり閉じ込められてしまいます。火災がでたら逃げおくれてしまうのでストッパーや本などで隙間を開けておく。
     

  • 玄関に水槽は置かない。壊れてガラスが飛び散り、危険。
     

  • 外出時には粉末のアイソトニック飲料(ポカリスエットなど)を持っていく。
     

  • 日頃からコート、セーター、ダウンジャケット類は高品質の物を使う。被災時期が冬期だと寒さがこたえるそうです。山で遭難した時なども装備の差で生死が別れるとききました。(Nasa開発のエマージェンシーブランケットなどは、安価でコンパクトで良いかも)
     

  • 日頃からの備えは勿論、近所付き合いも大切だそうです。災害時はお互いに助け合い、支えあうことが必要ですね。

     


SweetHeart
ルイジアナを襲ったハリケーンのNewsを見ていて、これはと思ったアイテムが「笛」です。屋根裏などに閉じ込められた被災者の1人のレスキュー場面で、その人が笛を吹いていたので救助の人に気づいてもらえました。

 

 

「男の趣肴」 http://www.dad.on.arena.ne.jp/otoko/bousai/youh_fr.htm) (許可を得て転載)

必需品

 関西に転勤したときに阪神大震災に逢いました。幸い地震そのものによる被害はありませんでした。また、震災前から水道、ガス、鉄道、通信といった「ライフラインと地震の関係」を研究するワーキンググループのメンバーになっていた関係で、京大や神戸大の地震専門の先生方と現場調査を行いました。当然のことながら、震災のものすごさを実感し、帰宅後、防災用品を点検し直しました。下記の用品は、身の回りにあるものを透明の収納ボックスにつめたり、山登りで使うアタックザックにつめたりしたもののリストです。こんな、どうでもいいようなものでも、非常時にはなかなか無かったりするものです。もしもの時のためにご用意を…

品名

持出袋

備蓄

品名

持出袋

備蓄

飲料水

携帯用小型ラジオ

 

トイレットペーパー

チョコ等高カロリー食品

 

懐中電灯

 

インスタント食品

 

サランラップ

 

大きなビニールごみ袋

 

各種電池

 

ウェットティッシュ

軍手

ほっカイロ

現金(10円玉を多めに)

 

カセットコンロ&カセットガス

 

下着・重ね着できる衣服

 

救急用品

 

紙皿・紙コップ・割り箸

 

アルミ箔

 

生理用品

 

タオル

帽子

 

マスク

 

雨具

 

ビニールシート&ロープ

 

小型ナイフ or はさみ

 

ろうそく

 

石鹸・合成洗剤

 

マッチ・ライター

 

預金口座番号のメモ

 

電話番号メモ

 

保険証と運転免許証のコピー

 

紙オムツ

子供の靴

       

 

項番

品名

写真

用途

サランラップ

 

食器をラップで覆い使用します。食器洗浄などで貴重な水を無駄にしません。

アルミ箔

 

料理時の包装材、耐熱食器としての利用があります。他にもあったような…??

大き目のビニールごみ袋

 

防水用と使うのはもちろん、段ボールに入れてトイレや貯水タンクとして使えます。

 

その他の災害対策用品

用品名

用品名

包帯

うちわ

歯ブラシ&歯磨き

カメラ&フィルム

スコップ

ビニールテープ

広域地図&コンパス

メモ&筆記具

裁縫用品&安全ピン

 

 

 

子どものストレス

昨日、今回のテロに関連して、子どもの通う日本語補習校に、文部省派遣の臨床心理士が来て、今回の事件に関する子どものストレス・マネージメントについて講演をしてくださいました。(道都大学経営学部講師/北海道公立学校スクールカウンセラー小澤康司さん。)

いくつか、興味深い話しがありましたので、紹介します。

【親の心境が子どもに反映】

講師の小澤さんは、台湾大地震の時も、台湾に派遣されたそうです。今回のテロ事件と少し違って、台湾地震では広範囲の人が直接影響を受け、さらに余震によって、恐怖がよみがえるなどして子どもたちも大人達もかなりのストレスを負っていたそうです。

その中で一人だけ、全然影響を受けていない子どもがいたそうです。それで、調べてみると、その子の家族は、台湾に来る前に神戸大震災を経験していたのだそうです。それで、地震が起きた真夜中、他の家族達は、パニック状態で外に飛び出していたのに、その家族だけは、母親が「この地震は、神戸の揺れとは違うから大丈夫。安心して寝なさい。」と子ども達をそのまま寝かせつけたそうです。その夜、子ども達は、余震が来ても、ぐっすりと熟睡していたそうです。

つまり、緊急時、親の態度が、いかに子どもの精神状態に反映してしまうかということなんですね。今回のテロでも、親が不安と恐怖に怯え続けていたり、心に余裕のない状態だと、子どもも不安と恐怖に怯えることになってしまうということです。だから、親自身が、できるだけストレスを解消して平常心で子ども達に接すること、子どもが怯えていたら、「お父さんが、お母さんが、守ってあげているから大丈夫だよ。」と子どもを抱きしめてあげることが大切だそうです。

【ストレスはプラス・マイナス思考で】

台湾の震災後、夜、まったく眠れなくなってしまった子どもがいたそうです。その子のカウンセリングをしてみると、その子の親は、一流と言われる学校を出、子どもも一流の学校に入れたいと非常に高い期待を持っていたそうです。それで、その子は、毎日塾に通っていました。そのことは、既に、その子にとって、かなりのストレスになっていました。そこに地震が起きました。地震によって負わされたストレスは、その子の既にあったストレスに加算され、上限を超えてしまいました。そして、全く眠れないという症状になって表に現れてしまったのです。そこで、親へのカウンセリングも行い、まず子どもと親のコミュニケーションを改善し、さらに、一時的にでも塾通いを辞めさせてもらったそうです。つまり地震によって起こされたストレスは、その時点で取り除くことはできないけれど、塾通いの方のストレスは、取り除けるものだったからです。子どもに何らかの症状が出た場合には、このように一つずつストレスを取り除いてあげることが大切だということです。

【気分転換法】

小澤氏は参加者の一人に「昨日の朝食何を食べましたか?」と尋ねました。尋ねられた人は「えーっと・・・トーストです。」と答えました。そこで小澤氏は「今、あなたがトーストと考えた時、他に別のことを考えられましたか?」と尋ねると、彼女は「いいえ。」と答えました。

このように、一つのことを集中して考えている時は、他の心配事とかが考えられなくなる。だから、「好きなこと、熱中できること、楽しいこと、嬉しいこと、適度な運動、遊び、音楽」などをすることがストレス解消に役立つということでした。

先週のある日、長男(10才)は、学校で非常にイヤなことがあったらしく、かなり荒れていました。一時間後にアメフトの練習があったのですが、「今日は、全然そんな気分じゃない。休みたい。」と言うので、私は「こんな時は、体を動かせば、きっと気分が良くなるから。」と、ぐずぐず言う長男を練習場に送って行きました。そして、練習から帰ってきた彼は、「行って良かったよ、ママ。ずっと気分が良くなった。プッシュしてくれて、ありがとう。」と言ってくれたのです。息子は気分転換という、素晴らしい技を学んだようで嬉しかったです。

最後に、へぇーと思った話。「生活ストレッサー尺度」「三川、1989)というので、アメリカ人はストレス得点の1位は「配偶者の死亡」2位が「子どもの死亡」だそうですが、日本人の場合、1位と2位が入れ替わるのだそうです。家族、夫婦、親子のあり方の、それぞれの文化的特徴が出ているなぁと思いました。

 

CNN今日のニュースより 911と子どもの心理

今日のCNNで、子ども専門の心理学者がテロ報道に関して話していたことです。(Sep. 13)

  • 7歳以下の子どもには、ニュースを見せないこと。…当日は、ほとんどの家庭で、次々と起こる事件を知るために大人がテレビに釘漬けの状態になり、子どもは、一緒にそれを見るという形になってしまったと思うが、今後7歳以下の子どもには見せるべきではない。

  • 子どもは、ショッキングなできごとがあると、それをPersonalizeさせる。(あたかも自分の体験であるかのように理解しようとする。)例えば、自分の学校も爆破されるのではないだろうか、自分の両親も同じような災害で死ぬのではないだろうか、と不安を募らせてしまう。それに対処するには、こどもに、学校はきちんと守られているから大丈夫だとか、政府が防衛しているから大丈夫だとか説明して子ども自身の身に、すぐに同じような災害がふりかかるかものではないことを告げ安心させること。

  • 子どもが実際に復旧作業に協力したりすることはできないが、たとえば家族を亡くした人達のために詩や絵を描くなどして復旧への参加意識を持たせる。他の人を助けることができるということで、子ども達が自分自身の力と安心感を感じることができる。

 

  • 災害後の子供の精神的ショックを

軽減するための手引き

この手引きは、アメリカ赤十字と連邦政府緊急管理委員会が協力して作成したものを、翻訳したものです。数年前のカリフォルニアでの大地震でもそうでしたが、アメリカ では災害が起こった場合、被災者の精神的ショックを和らげるために、迅速にセラピスト(精神分析医)が現地入りします。被災した幼い子供たちのためにも、子供専門 のセラピスト達が、積極的に活動しています。 このように、アメリカの救援活動では物質面ばかりでなく、精神面の援助も、救援の一部として考えられています。

神戸の震災後、神戸に住む多くの友人、知人達から、小さい子供たちが悪夢にうなされたり、飛行機の音にさえおびえているという話しを聞きました。親たちは、親たちで、被災後の処理などでストレスがたまっており、子供のショックに、一体どうやって対処してあげたらいいのか、戸惑っていました。この手引きを、小さなお子さんを持つ御家庭で役立てて頂ければと思います。

 地震、竜巻、火事、洪水、ハリケーン、危険物質流出… 災害はあっと言う間に、そして何の前触れもなしに起こります。これらの災害は大人にとっても恐ろしいでき事でしょうが、対処の仕方を知らない子供たちにとっては、大変な精 神的ショックです。災害の間、あなたの家族は、家や日常の生活を離れなければならないかもしれません。子どもは、心配し、混乱し、恐怖心を抱くようになるかもしれません。

おとなとして、子供たちが永久的な喪失感を抱かないように、災害に対処していくことが必要です。子供た ちの恐怖心を和らげてあげるよう導くことが大切です。 連邦緊急管理委員会とアメリカ赤十字は、あなたと子供たちが、災害に対処する助けと なるよう、この手引きを作成しました。最終的に自分の子供のために何がベストかは、あ なたが決めるべきことですが、これらのアドバイスをガイドとして使用することを御考慮 ください。

◆子供の災害に対する反応◆

 子供は、毎日の決まった日課に従って行動することを好みます。たとえば、朝起きて、 朝食を食べ、学校へ行き、友達と遊ぶといったような、日課です。緊急事態または災害が この日課を乱すとき、子どもは、不安になるかもしれません。災害時、子供は、両親や他のおとなたちの助けを期待します。ですので、あなた自身が 災害に対してどのように対応するかが、子供たちの行動を支える手掛かりとなります。も し、あなたが平静を失えば、子供は更に恐怖心を抱くかもしれません。大人が恐れている 様子を見て、子供はそれを危険が現実であるということの証明と取ります。もし、あなた が、喪失感に打ちのめされているようだと、子供は、より強く喪失感を感じるかもしれま せん。

 子供の恐怖心は、彼らの想像力から起こることもあるかもしれませんが、子供のそのよ うな感情を重視してあげましょう。怖い、と感じている子供は、本当に怖がっているので す。あなたの言葉や行動で、子供を安心させることができるのです。正直に、そして、子 供にわかりやすいように、状況を説明してあげましょう。恐怖心を抱くことは、おとなにとっても子供にとっても健康的で自然なことなのです。

 しかし、おとなとして、現状に振り回されないことが必要です。危険が去ったと確信し たなら、心の中に何が最初に思い浮かぶかを子供に尋ね、子供が、精神的に何を必要とし ているかを理解することに全力を注ぎましょう。子供に家族の復旧活動を手伝わせること は、子供が自分たちの生活が“平常”に戻りつつあるということを実感させる助けとなり ます。

  あなたのこの時期の対応が、将来にわたって子供に影響を与えることになるかもしれません。災害の後、子供たちが最も恐れるのは 「また同じことが起こるかもしれない。」 「誰かが負傷したり死んだりするかもしれない。」 「家族と離れ離れになってしまうかもしれない。」 「一人で取り残されてしまうかもしれない。」 ということです。

◆《親へのアドバイス》災害に対する備え◆

 四つのシンプルな手順を踏んで、「家族の災害プラン」を立てることができます。まず 最初に、あなたの地域社会で、どんな危険が存在するか、そして、それぞれの危険に対し てどんな備えをするべきかを学びましょう。家族として、それぞれの状況に、どう対処す るべきかを話し合いましょう。次に、緊急時の電話番号を掲示したり、県外で家族に連絡 の取れる所を選んだり、家族の一人一人のための非常用具を準備したり、家の各階に煙探 知機を設置したり…といったような家族の災害の備えをしておくようにしましょう。最後に、災害が起きた時、どうしたらよいか家族全員が覚えられるように「家族災害プラン」 の予行練習をしましょう。    

☆「家族災害プラン」を作り、練習しましょう。あなたの地域の緊急管理事務所、もしくは市民防衛事務所や、地域の赤十字などに連絡し、どのように家族の災害プランを立てたらよいかを解説した資料があるかをたずねましょう。子供を含む家族全員が災害への対処、および、復旧努力に参加するようにしましょう。

☆どのように、危険信号を察知するかを子供に教えておきましょう。子供が煙探知機、火事警報機や地域の警報システム(警笛やサイレン)の音などを知っているか、確認しましょう。

☆いつ、どのように助けを求めて電話するかを教えましょう。電話帳で地域の緊急電話番号を調べ、家庭内の全ての電話のそばに、その電話番号を、貼っておきましょ う。110番や119番などの電話番号も教えておきましょう。

☆子供に大切な家族の情報を覚えさせましょう。家族の名前、住所、電話番号などを覚えさせましょう。また、緊急時にどこで落ち合うかも教えておきましょう。このような情報を覚えるには、まだ子供が幼すぎる場合、小さいカードなどに緊急時に必  要な情報リストを書いたカードを持たせ、大人やベビーシッターにわたせるようにし  ておきましょう。    

☆子供に、どのような時に、どうやって助けを求め、電話をするかを説明し、教えておきましょう。たとえ、とても小さな子どもにでも教えることができます。もし、子供がまだ字を読むことができないなら、下のような絵のチャートを使うと、緊急時  に、どの番号に電話すればいいかを見分ける助けとなります。それぞれの絵を説明する時、子供自身に絵に色を塗らせてください。そうすれば、子供は、緊急時に、どこ(だれ)に電話すればいいのかを覚える助けとなります。                                       

救急車   火事   おまわりさん   おかあさん   おとうさん   その他

◆災害後:復旧時◆

★災害の直後は、子供の恐怖心と不安を軽減してあげる努力をしましょう。

★家族が一緒にいるようにしましょう。家を探したり、救助を求めたりする間、親  戚や友人に子供を預けたいと思うかもしれませんが、その反対に、できる限り、家族  が離れ離れにならないようにし、子供たちと共に家族で立ち直る努力をしましょう。  子供は、どこかに預けられたりした場合、不安になり、両親が戻ってこないのではな  いかと心配するでしょう。

★静かに、確信を持った口調で、現状の説明をしましょう。その災害について、知 ていることを、できる限りわかりやすく説明してあげましょう。そして、次には、どんなことが起こり得るかということも説明しましょう。たとえば、「今日は、みん  なで一緒に避難所に泊まることになるよ。」などということを、子供の目の高さで、話してあげましょう。

★子供たちに、努めて話させるようにしましょう。災害について話したいだけ話させ、質問したいだけ質問させましょう。どのように感じているか、すすんで言葉にするように導き、その言葉を聞いてあげましょう。もし可能なら、家族全員で、話し合いましょう。

★復旧活動に子供も参加させましょう。子供たちにできる仕事を任せましょう。子供が、自分たちも復旧作業の一員であるという実感を持つ助けとなります。一員となって働くことで、全て何とかなるだろうということを理解させる助けとなります。

★子供が、どんなことで不安になったり恐怖心を抱くかを理解することで、そのような感 情を軽減する助けができます。確信と愛情を持って、安心させてあげてください。そうすることで、子供は、いつか事態は平常に戻るだろうということを悟ることができます。も し、子供が以上のことを行っても、反応がないようなら、精神専門家などに助けを求めま しょう。

  連邦緊急管理委員会の家族保護プログラムは、アメリカ赤十字の地域災害教育プログ ラムとの協賛で、この手引き書を開発しました。両者ともに、全ての災害に対して人々が 準備する助けとなるための国家的努力です。災害に、どのように準備、対処するかについ てさらに情報が欲しい方は、地域または州の緊急管理事務所または、地域の赤十字に連絡 してください。

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